- 西田 淑子
- サクセスインサイド・コミュニケーション 代表・コミュニケーショントレーナー
- 大阪府
- ビジネスコーチ
対象:コーチング
子供のころ、よくなくし物をしました。なくしたというよりも、何かに集中すると、手に持っていたものを、無意識でその辺りに置いてしまう。それが、いつも有るところとは違うところなので、それがどこに有るのかが分からなくなってしまいます。
しょっちゅう「ない」「ない」と言って探しものをしている私に、お母ちゃんはいつも決まってこう聞きます。「何をなくしたんや」、「いつなくしたんや」、「どこでなくしたんや」、「何しとったんや」。不思議なことに、だいたいこれくらいの情報を私から聞き出したら、まるで魔法のように、見つけ出しました。
質問は頭の中を整理するのに役立ちます。それから忘れていた情報を引き出すのにも役立ちます。一番簡単な質問は「何?」です。例えば「何をなくしたんや?」とか「なくしたのは何や?」という質問です。たったこれだけでも、「なくした」ということにばかり気を取られていたのが、まるで我に返るように、何を探していたのかという原点に戻ることができます。
質問できる箇所は、なくしたものだけには限りません。「あ~、昨日は飲みすぎたわ」ということに対して、「何を飲みすぎたの?」、「飲みすぎたのは何?」と質問することができます。
さて質問を始める前に、こんなことを思っていないでしょうか? 「相手の話は理解しなければならない」、つまり一度聞いたら、その内容を推測して理解しなければならない、質問するのは、話を聞いていないことになって失礼になる、「一を聞いて十を知る」ということを、このように理解していないでしょうか? 「一を聞いて十を知る」とは推測することではなく、応用することです。
何、いつ、どこで、どのように、という質問は、どのような内容でも使うことができます。質問を始めると、私たちは驚くほど真実を語っていないことに気がつきます。そして質問することは、本当の理解を進めることを知ることができます。
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