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閲覧数順 2024年04月15日更新

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IT分野で世界レベルになるための三種の神器

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迷子になった日本の教育

こんな相談がネットにありました。

相当遅れていた日本のIT教育に塾産業が飛びつき、どこもかしこも「プログラミング教室!」と授業料を追いかけるようになったせいかと思います。

__________________ 

ぼくは小学校6年生です。将来の夢がモバイル関連の開発者になりたいです。

そこで近い将来アメリカに留学して技術を本格的に学びたいのですが
まず何から学べば良いでしょうか?

__________________ 

プログラミングを始めた子どもたちはハマりますね。

ゲームをやっている気になるのか、あるいは先端を行っているという満足感があるのか。

それはそれで非常に良いことだと思います。

 

しかし、またしても日本の間違った「英語教育」と同じルートをたどっているようで、カナダのIT現場からは首を傾げるばかりです。

 

少し、日本の英語教育に戻り、客観的に眺めてみましょう。

あれ程のブームを呼び、我も我もと「英会話スクール」が雨後の竹の子のように出現し、幼児を抱えた母親が「英語教室」探しに右往左往。

政府も参入し、全く役にも立たない「小学校英語教育」の旗振り。

 

留学エージェントは、英語圏諸国の受入先に日本人のお金を流れるように注入しています。

誰でも構わず、能力など関係ない、問い合わせたが最後、食いついて離れず、法外な費用を取って「ポイ」と送る。

一丁上がり!

 

高校や、大学も生徒集めのための「海外研修」お花畑。

とりあえず遊びに送り出す感覚のプログラムだということは、受入先のカナダなどにも見事にバレています。

「日本人学生は勉強には興味がないので、難しくない特別なコースを作ってるんだよ。」とはカナダの大学関係者弁。

 

で。

日本の子供は英語が出来るようになりましたか?

英語の出来る大人に育っていきましたか?

 

なっていませんね。

 

根本的に「語学学習」を間違っているからです。

「英語言語」は「日本語言語」と同じ。

アイディアを表現し、アイディアを受け取るための媒体に過ぎません。

「考える力」を育むことを放棄した日本の教育では、まず「自分で考える能力」から始めるべきなのですが、それは頭にないようです。

 

従って、アイディアなし、中身なし、空っぽの「英語教育」しかやって来なかったツケが大きく日本にのしかかったままです。

媒体にしか過ぎない英語を、アイディア抜きで学習する方法はただひとつ。

日本の教育の常、暗記をすることを「英語教育」と名付けたツケはかなり重症です。

 

未だに、「国際的な仕事がしたいので英語を勉強したいです。」という間の抜けた希望を持つ若者が多いことが、見事に日本の英語教育の失敗を物語っています。

今どき「国際的」でない仕事を探す方が難しいです。

将来世界的に活躍したいのであれば、自分の持つ能力を一番伸ばせる専門分野を極めること。

それを母国語と英語で運用出来ること。

これが正道なのですが、「アイディアなしの英語」教育に騙された脳にはなかなか理解出来ないと感じています。

英単語を暗記しても国際的な仕事など出来ませんよ。

 

「世界に追いつけ!日本のIT教育分野」にも全く同じことが起こっていると思います。

「プログラミングさえ出来れば、IT専門家となり世界で活躍出来る」と勘違いを始めた小学生・中学生・高校生が先のような短絡的希望を口にし始めました。

非常に危ない兆候です。

 

プログラミングも、単なる媒体です。

コンピューターと会話するための媒体に過ぎません。

英語の単語を暗記するのと同じく、誰でも、特に優れた能力がなくても誰でも出来ます。

例えばPython が多少出来るからと言って、優れているわけでも何でもないことを知ってほしいです。

 

現在、カナダ・アメリカの先端ITビジネスが求める人材には何が必要かを知っていますか?

プログラミングは当たり前。

日本の会社に入るのに「日本語が出来ます」は何の特技にもならないのと同じ。

 

モバイル関連の開発者も、ゲームデザイン専門家も、A.I.専門家も、Machine Learning 専門家も、映像メデイア専門家も、エンターテインメントビジネス専門家も、まず必要な資質はプログラミングではありませんよ。

 

一番必要なスキルは、Storytelling abilityです。

「いかにストーリーを語れるか」です。

幼い時から本を浴びるほど読み、自分で想像力をふくらませる時間がたっぷりあり、自分の創造性あふれるアイディアを言語で効果的に発信出来る能力が、Storytelling abilityです。

 

今ではA.I.が人間の能力を超えつつあります。

日本でやっている英語のテストなどはA.I.の方がはるかによく出来ます。

翻訳もNatural Language Processを使いA.I.がやってのけます。

エッセイも、新聞記事も訓練されたA.I.が、普通の人間よりはるかに高いレベルで書くことが出来ます。

 

プログラミングもA.I.が取って代わり始めています。

もちろん、人間もプログラミングの知識は必要です。

A.I.と一緒に仕事をする必要がありますから。

 

じゃ、なぜビジネスは人間を雇い続けるか?

「アイディア」”Storytelling”能力です。

今はまだA.I.には及ばない、人間だけの領域です。

ですから、世界を牽引する一流ビジネスは「ストーリーを語れること」を採用条件のトップに持ってきているわけです。

 

カナダやアメリカの一流企業の採用ページを見てみるといいですね。

Storytellingの文字が踊っていますから。

 

最初にご紹介した質問に戻ります。

「そこで近い将来アメリカに留学して技術を本格的に学びたいのですが、まず何から学べば良いでしょうか?」

 

本格的にスキルを学ぶのはまだ。

興味の範囲で徐々に続けていけばいいペースです。

 

何から学ぶ?

 

一流ビジネスが2番めの条件として上げていることを教えましょうね。

大学学位は必須。 大学院の学位、博士号が望ましい。

専門分野も限定しています。

A.I. 関連の仕事なら「コンピューターサイエンス」または「数学」専攻は絶対必要。

映像やゲームのエンターテインメントなら、”Fine Art Media Film & Production  などの専攻学位。

 

専門学校の終了書では全く届きません。

日本の妙な習慣・就活とやらのように、どんな専門分野無視の採用からは想像も出来ない細かさです。

 

小学6年生が今から学ぶことは、まずは中学・高校の基本を確実に習得し良い成績を残すこと。

大学では、自分の興味に応じて専門分野を注意深く選び(塾や学校教師のアドバイスは聞かないこと)、出来れば大学院の学位まで到達すること。 成績も非常に大切。

 

もし、将来の仕事の分野が決まってない場合、絶対お勧めなのが「数学専攻」。

これからのA.I.時代を引っ張るのは数学専門家です。

 

最後に、3番目の採用条件は”Fluent in English communication”です。

English communication Storytelling です。

英語を話すことは、丸暗記したフレーズを使うことでも、単なる相づちを打つことでも、質問されても”Yes No”だけしか答えられないことではありません。

Story を語ることが、英語を話すという行動です。

 

世界のIT分野で活躍するためのハードルは、日本の若者にはかなり高いです。

3つの大きなハードル:1. Storytelling ability  2. 大学のDegree (北米が好ましい) 3. Fluent in English communication

さて、決心はつきましたか?

 

あなた自身に合わせた細かいアドバイスが必要ですね。

一緒にプランを書いて計画してみましょう。

 

Good luck, Kiddo!!


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カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。

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