米国改正特許法逐条解説 第2回 (第1回) - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
河野特許事務所 弁理士
弁理士

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:特許・商標・著作権

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

米国改正特許法逐条解説 第2回 (第1回)

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 特許・商標・著作権
  3. 特許・商標・著作権全般

米国改正特許法逐条解説  (第1回)

~第2回 冒認出願とレビュー手続~

河野特許事務所 2012年 1月5日 執筆者:弁理士  河野 英仁

 

1.概要

 第2回は先願主義に伴い新設された由来手続(冒認手続)、付与後レビュー、当事者系レビュー、及び、ビジネス方法特許に対する暫定レビューについて解説を行う。

 

2.由来手続(冒認手続)

 先発明主義のもと存在していた先発明者を決定する手続、インターフェアランス手続は廃止された。先願主義への移行に伴い、由来手続(Derivation proceedings冒認出願手続)が導入された(135条)。つまり、発明が誰から生じたのかの由来を決定する手続がUSPTOにて行われる。なお由来手続は特許成立後においても裁判所にて行うことができる(291条)。

 

(1)申立人及び時期的要件

 特許出願人は、USPTOに対し、後願のクレームの最初の公開日から1年以内に、由来手続を申し立てる事ができる(135条(a))。

(2)提出書面

 申し立ては、先の出願に記載された発明者が、申し立て人の出願(後願)に記載された発明者からのクレーム発明を由来としており、かつ、許可なく当該発明を主張する先の出願が申請されたと判断する根拠を詳細に説明しなければならない。(米国特許法第135条(a))

(3)由来手続の審理

 長官が手続を開始する旨の決定をなした場合、PTAB(Patent Trial and Appeal Board)が発明の由来を決定する。PTABは必要に応じて、出願または登録時の特許における発明者氏名を修正する(135条(b))。

(4)不服申し立て

 不服申し立ては、CAFC(連邦巡回控訴裁判所)またはバージニア東部地区連邦地裁に対して行う(146条,AIA(America Invents Act)セクション9)。なお、以前はコロンビア地区米国連邦地方裁判所U.S. District Court for the district of Columbiaに不服申し立て可能であったが、改正法により、バージニア東部地区連邦地裁に変更された。

(5)調停及び仲裁

 由来手続の手続当事者は、正しい発明者に関する当事者の契約を反映する書面説明書を提出する事により、調停を通じた事件の解決を図ることができる(135条(e))。また手続当事者は米国法典第9条に基づき仲裁による事件の解決を図ることもできる(135条(f))。

(6)特許後の由来手続

 特許権者は、同一発明をクレームし、かつ、早い有効出願日を有する他の特許の権利者に対し、民事訴訟による救済を受けることができる(291条(a))。特許後はUSPTOにおける手続ではなく、民事訴訟を提起し当事者間での解決を図る必要がある。民事訴訟は最初の特許(冒認特許)の発行後1年の期間にだけ提起することができる(291条(b))(参考図1参照)。

 (7)施行時期

 オバマ大統領のAIA(2011年9月16日)サイン日から1年6月後の2012年3月16日以降に施行される。第1回で解説した先願主義への移行時期と同じである。

 

(第2回へ続く)

ソフトウェア特許に関するご相談は河野特許事務所まで

 |  コラム一覧 | 

このコラムに類似したコラム

米国特許法改正規則ガイド 第3回 (第3回) 河野 英仁 - 弁理士(2012/06/18 14:00)

米国改正特許法逐条解説 第2回 (第13回) 河野 英仁 - 弁理士(2012/02/06 14:00)

米国改正特許法逐条解説 第2回 (第5回) 河野 英仁 - 弁理士(2012/01/18 14:00)

米国改正特許法逐条解説 第2回 (第4回) 河野 英仁 - 弁理士(2012/01/16 14:00)

米国改正特許法逐条解説 第2回 (第3回) 河野 英仁 - 弁理士(2012/01/13 14:00)