- うえた さより
- 株式会社ローズ・ウェッジ 代表取締役 カラーアナリスト・コンサルタント
- マーケティングプランナー
対象:販促・プロモーション
- 山田 祐子
- (旅館・民宿プランナー)
- 山田 祐子
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うう、先日の出張で慣れない特急に乗るとたいへんですよね。揺れが激しく船酔いになって、まだ今日も気持ち悪い状態のまま、仕事をしています。そんななか、ふと、ある方のフェイスブックの写真が変わっていたので、興味深々。赤色の背景をバックに、赤の腕時計をされているNさんではありませんか?
やはり、「赤」よく目立つ。
さらに、彼ことNさんが「赤」に興味を示したのもわからないでもないのです。今日は、そんなお話です。
最近、手がけた「老人ホーム」の色彩計画。建物の内装にずいぶんとこだわって、Nさんと色選びしたのですが、経済誌の記者さんたちや一般の方々に注目されたのは、外観にある円柱の「赤」色。
私としては、少々拍子抜けしたところもあります。
というのも、この赤の円柱はぶつかってはいけないからという理由で、赤色にしたという、おまけのような感じだったからです。むしろ、念入りに建物の半径500メートルの商圏を調べ、競合他社や大きな商業施設の色を調べ、それにない「色」。差別化を意識したのです。そして、マーケティングを知っている人間から言わせますと、コンセプトワークをきちんとやり、長期ビジョンにたったすばらしいコンセプトをNさんと考えました。
・・・が、こんなところはどこ吹く風っていう感じで、
「『女性の目線』を意識した老人ホームづくり」と書かれていました。たしかに、老人ホームの入居の決定権を持つのは、娘さんである40代の女性なんです。その辺も意識して考えたのはたしか。
それだけでしたね。
しかし、経済誌の記者さんだけでなく、「赤」に興味を持った男性は他にもいました。私が「赤」といっても、赤にはいろいろあるので、色指定をしなければなりません。参考までに、具体的な色をいいます。今回の「赤」はある高級車の赤といいました。
すると、現場のみなさんや塗装関係者さんたちがショールームへ色の確認まで行ったそうです。大勢の男性が建物全体の面積からいうと1%もないような赤の円柱に、ものすごく感心があるのが本当に不思議でたまりませんでしたが、ムム、これが「赤」の持つ色の魅力なのでしょうね。
色彩心理とは、意識せずに無意識で感じ取るものです。色が与えるイメージなどを。
特に、「赤」は情熱的な色ですが、積極性のある色です。「色に興味ない」とふだん言う男性も、「赤」の力に無意識に動かされたような気がするんです。
さて、Nさんも驚いたのでしょう。「赤」の円柱が話題になり、どうやら物事がうまく運んだようですね。
「赤」を背景に、腕時計の革ベルトまで「赤」にされたNさんの顔はなんとなく自信にみちて、とっても輝いて見えるのでした。
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