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東 美恵子
(リサーチャー)

閲覧数順 2016年12月04日更新

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ホテル・旅館のケーススタディ(1)  老舗旅館「加賀屋」

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 「加賀屋」(石川県七尾市・和倉温泉)をご存知でしょうか? 

 

 明治39 年に創業し、平成18 年で100 周年を迎えている老舗の旅館ですが、その歴史に加えて、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100 選」において、今年も31年連続で日本一に輝くなど、今なお日本のトップレベルのサービスを提供し続けています。

 加賀屋は「雪月花」、「能登渚亭」、「能登客殿」、「能登本陣」の客室4棟を有し、総客室数が245室 という、全国最大級の大型旅館で、年間の宿泊客は、グループ2館でなんと約30 万人。これは、和倉温泉全体の集客数の1/3 にもなり、両館の平均客室稼働率は80%前後にも達しています。

 

 昭和天皇両陛下、平成天皇両陛下もご宿泊された加賀屋は、能登半島という、都心からは交通の便も決して良くない地理的条件にも関わらず、多くの人々から「一度は泊まりたい」、「もう一度泊まりたい」と支持を集めています。

 バブル期以降、旅館業界も地域間格差が顕著となり、昨今の景気低迷による客数減や消費単価の減少などで、倒産旅館の数が増加していますが、こうした厳しい環境下にあって、なぜ加賀屋が健闘しているのか?

 そのポイントをまとめてみました。

 

1.従業員満足(ES)の向上

 加賀屋では、社員全員が加賀屋の社員であることに誇りを持ち、快適に働ける環境づくりを心がけています。

 例えば、業界内でも高い水準に設定している給与額、子供を持つ女性社員が安心して働けるように、企業内保育園や母子寮「カンガルーハウス」などを設置していることからも分かります。

 

2.人材育成

 客室係りの教育、定期的に行われるトップ教育、調理アカデミー、会長講演などの社内教育、加賀屋ビジネススクールと呼ばれる研修教育、アメリカ研修や通信教育など、ホテル系の専門学校並みの人材育成を行っています。

 

3.常に正確な顧客ニーズとトレンドを把握

 年間2 万5,000 通にも及ぶアンケートを最大限に活用しています。

 特に、お客様からいただいたアンケートやクレームを 「クレーム白書」 にまとめ、年3 回ほど全社員を集めた「クレームゼロ大会」を開催しています。ここではクレームの原因・再発防止策の究明に加え、「最も大きなクレームを受けた社員」に対する「クレーム大賞」の表彰が行われています。クレームを成長の糧に転化しているのですね。

 

4.ハイテクとローテク

 1970 年代初頭にコンピュータを導入。その後、日本初の料理自動搬送システムを導入するなど、システム化によって人件費を削減してきました。

 同時に、お客様に大浴場など館内を説明しながら客室に案内する間に、客室係のスタッフはお客様一人ひとりの背丈や身幅をそれとなく目測し、5 センチきざみで揃えてある浴衣を、そのお客様に合わせて選んでもってくるなど、サービス品質の強化にも努めています。

 

5.新市場の開拓

 1995 年以降、台湾人観光客の開拓に力を入れてきました。能登空港の開港後は、台湾の旅行会社と組み、台湾と能登のチャーター便を企画。毎年、50 便前後のチャーター便を飛ばしています。

 

6.他社とのコラボレーションでノウハウ取得

 2007 年には、資生堂のQi エスティックを導入し、自社にはないノウハウは外部から積極的に得てることで、常に新しいサービスや企画の開拓に取り組んでいます。

 

 我が国では、サービス業では「高単価=高いサービスクオリティ」のビジネスはなかなか難しいと考えられていますが、加賀屋の事例から分かるのは、「高いサービスクオリティ」に加えて、「多様なサービス」、「お客様が選べるサービス」もビジネス成功のポイントとなることです。

 

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