現代の食にひそむ危険性・少しでも健康的に食べるには!?(8) - 疲れやすさ - 専門家プロファイル

東京都
医師
03-3277-3737
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:心と体の不調

茅野 分
茅野 分
(精神科医(精神保健指定医、精神科専門医))
茅野 分
茅野 分
(精神科医(精神保健指定医、精神科専門医))
茅野 分
(精神科医(精神保健指定医、精神科専門医))
市原 真二郎
(カイロプラクター)

閲覧数順 2024年04月24日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

現代の食にひそむ危険性・少しでも健康的に食べるには!?(8)

- good

  1. 心と体・医療健康
  2. 心と体の不調
  3. 疲れやすさ

(続き)・・これらの不飽和脂肪酸のうちオメガ3とオメガ6は「必須脂肪酸」であり、人体では合成できないため、毎日の食事から摂取する必要があります。極端に脂肪分の摂取を制限すると、かえって健康を害するのはこのためです。オメガ9は必須脂肪酸ではありませんが、動脈硬化を防止するなどの効果があるので、ぜひ摂りたい油です。それでは無作為に植物油を摂取するとどうなるかといえば、別の意味で健康に良くありません。ここで重要となるのが、これら脂肪酸の「比率」と「品質」です。

 

必須脂肪酸は細胞膜やホルモンの原料などに用いられる大切な素材ですが、オメガ3とオメガ6の比率がたいへん重要です。その比率が適性ならば細胞や組織の機能が充分に発揮され、比率が不適切だとその機能が阻害されます。理想的にはオメガ3とオメガ6との比率は「1対1」が適性とされます。ところが現実には、現代の食生活では圧倒的にオメガ6が過剰の状態に陥っており、その比率は5対1もしくは10対1にまで格差が拡がってしまっているといわれています。

 

我々の食卓やスーパーなどの商品棚をみると、オメガ3を含んだエゴマ油やアマニ油の瓶は殆んど見かけず、オメガ6主体の大豆油、コーン油、菜種油、ヒマワリ油などが至る所に並んでいます。日本の市場にみられる「サラダ油」や「てんぷら油」の正体は、主としてこれらオメガ6を含んだ油のミックスです。よほど注意しなければ、我々は著しくオメガ6に偏った脂肪酸構成の食生活を送らなければならない環境にいるのです。それではオメガ6に偏った状態は、どのような弊害をもたらすのでしょうか。

 

オメガ6の主体を成すリノール酸は代謝の過程でアラキドン酸を形成しますが、このアラキドン酸は血管や組織で炎症を惹起します。その結果、動脈硬化を促進したりアレルギー反応を発生させたりします。オメガ6単独では、実はあまり良好な反応を起こさないのです。通常はオメガ3がこれらオメガ6による有害な反応を抑制していますが、オメガ3が欠乏した状態ではこの抑制が利かず、動脈硬化が進行する、アレルギー反応が起こるといった良くない変化を招きがちになります。

 

一方でオメガ3は動脈硬化を抑制する、善玉コレステロール(HDL)を増加させる、などの好ましい変化をもたらします。従ってオメガ6が過剰でオメガ3が不足するといった状態では、動脈硬化の進行や炎症の拡大などによって、心筋梗塞や脳梗塞、肺梗塞といった血栓性の疾患を発症しやすく、またぜんそくやアトピーなどのアレルギー疾患の増悪を招きやすくなってしまいます。そのように必須脂肪酸の比率は決定的に重要ですが、なぜ我々の食環境はオメガ6に偏ってしまったのでしょうか。

 

現代の農業は作業の能率性やエネルギー変換効率を重視するあまり、麦や大豆、トウモロコシに代表される「種子植物」を重宝するようになりました。それに比べて野草などの「葉物植物」の生産比率は相対的に低下しています。これら種子植物の多くはオメガ6主体の脂肪酸構成をしており、一方で葉物植物の多くはオメガ3主体です。従って農作物全体としてはオメガ6優勢になってしまいました。EPAやDHAといったオメガ3が豊富な魚類の摂取量が減少した影響も見逃せません・・(続く)

 |  コラム一覧 | 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(東京都 / 医師)

あなたの自然治癒力を引き出し心身の健康づくりをサポートします

病気を治したり予防するにあたり、いちばん大切なのは、ご本人の自然治癒力です。メンタルヘルスを軸に、食生活の改善、体温の維持・細胞活性化などのアプローチを複合的に組み合わせて自然治癒力を向上させ、心と身体の両方の健康状態を回復へと導きます。

03-3277-3737
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。