日本税法学会in札幌学院大学 - 法人税 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士

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日本税法学会in札幌学院大学

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雑感 大学・大学院

先週の土日、札幌学院大学で開催された日本税法学会に参加してきました。

 

仕事の都合上、日曜の午前中のうちに東京に戻らなければならなかったので、

初日のみの参加になりましたが、多くの参加者を得て、日本税法学会初の

北海道大会は大成功だったといえるのではないでしょうか。

 

北海道は、受験時代の恩師、伊藤悟札幌大学教授や、指導教授西野敞雄

国士舘大学教授の国税時代の同僚である中島茂幸北海商科大学教授が

いらっしゃる、縁のある地域です。懇親会では、伊藤先生、中島先生を

始め、多くの先生方に久しぶりにお会いすることができました。

また、理事会では、関東部会の総務副委員長をお引き受けすることが決まり、

私ごときに務まるか、心配ですが、頑張らせて頂こうと考えております。

 

大会は、5月末に出版された税法学565号に掲載された論文の中から、

伊川正樹名城大学准教授「譲渡所得課税の特例制度の理論的根拠」

八ツ尾順一近畿大学教授「役員給与の課税をめぐる基本的な問題」

中島茂幸北海商科大学教授「同族会社における役員給与問題」

竹内進目白大学教授「役員給与と所得区分等の問題

―役員分掌変更による役員退職金の支給を中心として―」

戸井健太郎氏(北大博士課程)「非営利団体に対する公共政策と課税」

の5名による発表、質疑応答が行われました。

 

中島教授の発表は、国税庁勤務の経験談を交え、法人成りによる同族会社の

節税効果に対して、昭和31年臨時税制調査会答申が「次善の策としては、

法人企業の総合税負担をできるだけ個人企業のそれに近ずける方向と、

個人企業の総合税負担をできるだけ法人企業のそれと近ずける方向とが

考えられる」と指摘していたことを踏まえ、みなし個人課税への転換の

可能性にも言及したものでした。

また、上場企業の役員報酬の実態として2009年度の役員報酬のベスト10を

紹介しつつ、「このような上場会社の役員に対して、課税庁が、過大役員給与

として認定課税した事例は寡聞にして聞かない。」と指摘し、過大役員給与の

問題が、とかくお手盛りになりがちな中小の同族会社に限定されている点に

注目し、その実態が法人というよりも個人に近いことを言及していた。

 

現行法上ではみなし個人課税を行うことは難しいであろうが、あるべき税制を

考える上で、実に示唆を含んだ議論でしたね。

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