東北地方太平洋沖地震による生活再建の際に気をつけたいこと - 民事事件 - 専門家プロファイル

鮫川 誠司
慶友綜合リーガルサービス 司法書士(簡裁訴訟代理等関係業務認定)
神奈川県
司法書士

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対象:民事家事・生活トラブル

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東北地方太平洋沖地震による生活再建の際に気をつけたいこと

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この度の大震災により被災された方々及びそのご家族に対して,心よりお見舞いを申上げます。ご不安・ご心痛は,いかばかりかとお察し致します。

司法書士界といえども決して震災と無縁ではなく,日本司法書士会連合会の集計(平成23年3月23日現在)によると,東北地方で7名、関東地方で1名の司法書士が死亡または安否が確認できない状態にあります。

 

このような状況に際し,現在,神奈川県司法書士会をはじめとする各地の司法書士会では,被災された方々・被災した同職に対して義捐金のとりまとめを行っているところです。

また,今後,被災された方々の生活がある程度安定し,地域がある程度落ち着きを取り戻した後,司法書士による無料相談会等も行われる予定です。

 

今は,まだ,その日を生き延びることだけで精一杯だという方も多いと思います。

しかし,「正義は,社会の四隅を照らす光である」といいます。

一日も早く,被災された方々の上に正義の光が降り注ぎ,適切な法的サービスが受けられる生活環境が回復するよう祈らずにはいられません。

 

まだまだ,インターネットをご覧になる環境にはない方々も大勢いらっしゃることと思いますが,今後,住宅と街の再建が行われるにあたってご留意頂きたい点を,一点だけ,取り急ぎコラムとしてまとめます。

 

それは,特に,街全体が大きなダメージを受けている地域において生活を再建するに当たっては,まず,各々の土地所有権の限界である土地の境界がきちんと確定していることが基本になるということです。

 

早く住宅を再築し生活を再建したいという気持ちは,もちろん理解できます。

しかし,住宅の再築を急ぐあまりこの点を疎かにされると,震災復興後も長期間にわたり,境界確定をめぐってトラブルになることが予想され,かえって,震災後のストレスが増大することになりかねません。

 

そのため,倒壊した家屋や瓦礫を撤去する際には,土地の境界を示す境界石,コンクリート杭,金属プレート等の境界標を損壊することのないように十分注意しながら作業を進めることが大切です。

また,これらがもともと存在しない,あるいは震災によって見当たらなくなったという場合には,塀・石垣の基礎部分,側溝なども境界を推認する上で重要な役割を果たしますので,可能な限り,これらの位置を保存しつつ作業を進めるようにして頂きたいと思います。

 

なお,震災後の混乱に乗じてそういうことが行われることはないと信じたいのですが,故意に,境界標を損壊・移動・除去すること等により,土地の境界を認識できない状態にする行為は,境界損壊罪(刑法262条の2)に該当します。

また,故意に,他人の土地に建物を建築するなどして占有する行為は,不動産侵奪罪(同235条の2)に該当します。

 

一日も早い被災地の復興に向けて,小職も,市民のための法律家として,そして一市民として,できる限りのことをしたいと思うものです。

 

裁判事務専門の「慶友綜合リーガルサービス」

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