- 眞鍋 顕宏
- 株式会社クレオ・アソシエイツ 代表取締役
- 兵庫県
- コミックデザイナー
対象:広告代理・制作
- 山藤 惠三
- (クリエイティブディレクター)
- 山藤 惠三
- (クリエイティブディレクター)
ここからは「私がなぜコミックに注目するのか」
「どうすればコミックを上手く活用できるのか」
についてお話したいと思います。
私にとって、マンガに新たな魅力を感じたのは
1986年、石ノ森章太郎先生のベストセラー作品『マンガ日本経済入門』と
出会ったことにはじまります。
その頃といえば、ちょうどバブル景気の最中、多くの人々は株取引や海外の
金融商品を購入する上で、経済情報に興味を持ち出した頃でもあります。
おそらく、経済や金融の仕組み等あらゆる情報をマンガで手軽に読みたいと
いうニーズが重なったのでしょう。
この時はじめて、難しい内容を「さらっと分かる」魔法のようなマンガのチカラ
を目の当たりにしたのです。
この入門編のように「さらっと分かる」ところがマンガの肝なのだと。
▽
その後私は社会人となり、グラフィックデザインの道を歩むことになります。
お客様と二人三脚、企業イメージのPRや商品・サービスのプロモーション活動
に「デザイン」という手法で様々なチャレンジをしました。
しかし、いくら卓越したアイデアがあったとしても、ユーザーのニーズに
届かなければ広告として機能しません。また反応がないほど、広告を発信する
側の主張が強くなりがちですが、それではユーザーの本当に欲しい情報のツボ
に届いていないことが殆どなのです。
その特効薬のひとつとして知られているものに、利用者体験談というものが
あります。これはとても有効な情報です。ある商品を一般ユーザーの目線と
言葉で、具体的にメリットを示してくれるのですから。何と言っても分かり
やすいです。
しかしどうでしょう?いかに魅力的な情報でも、その内容に目を通してくれ
なければ意味がありません。もちろん興味があれば目を通してくれます。
その興味を抱かせようと、沢山の情報・専門用語を並べても、そもそも
そのような人々には抵抗感を与えるだけなのです。
▽
それがマンガであればどうでしょう?
内容はともかく、まずはマンガとして見てくれます。
そうすると「さらっと分かる」ようになります。
理解出来るから興味をもってもらえるようになります。
ここでキーワードが重なりましたね。
そう「さらっと分かる」ということが広告には必要なのです。
私は今一度、昔読んだ『マンガ日本経済入門』が脳裏に蘇りました。
マンガの表現力こそが、広告には必要ではないかと。これでユーザーの
興味と理解をある程度得ることができれば、その後の広告展開は非常に
優位になります。
このような考えをきっかけに、私とマンガの本格的な関わりが
はじまったのです。
(つづく)
コミックデザイナーと呼ばれて(1)誕生秘話
コミックデザイナーと呼ばれて(2)マンガのチカラ
コミックデザイナーと呼ばれて(3)マンガとデザイン
コミックデザイナーと呼ばれて(4)互いの役割
コミックデザイナーと呼ばれて(5)導入7割が効果実感
コミックデザイナーと呼ばれて(6)次のステップへ
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