寄与侵害の適用要件(第5回) - 特許 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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寄与侵害の適用要件(第5回)

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寄与侵害の適用要件

~侵害誘発に対する主体的要件とマーキングトロールの出現~ (第5回)

SEB S.A., et al.,
Plaintiff/ Counterclaim Defendant-Cross Appellant,
v.
Montgomery Ward & Co., Inc., et al.,
Defendant/ Counterclaimant-Appellant.

河野特許事務所 2010年7月20日 執筆者:弁理士  河野 英仁

 

5.結論
 CAFCは、P社が312特許に対する侵害のリスクに対して意図的に無関心であったことから、P社に対する寄与侵害を認めた地裁の判断を支持する判決をなした。


6.コメント
(1)寄与侵害の主体的要件
 寄与侵害における主体的要件が争われた事件である。寄与侵害に係る被疑侵害者が特許を知っていたと原告が立証するには、米国特許法第287条における特許表示を行うか、または、被疑侵害者に対し警告書を送付していたことが必要とされる。

 本事件では、現実に特許の存在を知っていたことを原告が証明しなくとも、被告が意図的に当該特許に対する寄与侵害のリスクを無視していた場合、主体的要件「知っていた」を満たすと判示された。

 米国特許法第271条(b)に規定する寄与侵害に直接対応する規定は、日本国特許法には存在しない*7。関連する規定として間接侵害に係る日本国特許法第101条が存在する。同条第2項及び第5項*8は、間接侵害における主体的要件「知りながら」を規定している。
 ここで主体的要件「知りながら」は、以下のように解されている*9

「「知りながら」という要件は、特定の事実(「その発明が特許発明であること」及び「その物がその発明の実施に用いられること」)について実際に知っていたことを必要とする。それらの事実を知らなかった場合には、それがたとえ過失による場合であっても該当しない。」

 本事件は意図的に無関心であった場合まで寄与侵害と認定する点で、日本国特許法における間接侵害規定の主体的要件とは相違するといえる。

                                  (第6回へ続く)

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