「贈与税は減税、相続税は増税」はご存じ? - 住宅・不動産の法律問題 - 専門家プロファイル

西垣戸  重成
EYE-PLUS コンサルティング事業部 部長
兵庫県
不動産コンサルタント

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対象:住宅・不動産トラブル

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「贈与税は減税、相続税は増税」はご存じ?

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贈与税と相続税の関係

 最近、話題によく上る贈与税。一方、あまり注目されない感じのある相続税ですが、この両者の関係をご存知でしょうか?実は、贈与税法という法律はありません。贈与税は相続税法の中に存在しています。基本的に、財産はその所有者が亡くなった時に被相続人に相続されるものですが、その相続財産が多ければ多いほど、累進課税方式により沢山の税金を納めることになります。

 

そこで相続発生前に、被相続人に渡してしまえば相続税が少なくできることになります。これでは相続税が機能しないことになり、そのような行動を制限するために相続税よりも税負担が大きくなる贈与税が存在するといわれて、このような意味で、贈与税は相続税の補完税ともいわれています。

 

贈与税減税の陰で、相続税は増税方向へ

 贈与税に関しては、相続時精算課税制度や住宅取得資金の贈与なら1500万円まで非課税にするなどの制度がありますが、実は、相続税に関しては増税方向の改正が行われました。そして現在も政府内では、相続税の課税方式の変更も含めて増税方向の検討が進められているようです。

 

確かに、相続税の基礎控除額である5000万円+相続人の数×1000万円はバブル期に増額改正されたもので、地価が大幅に下落した現在では高額過ぎる感もあり、この基礎控除も含めて改正の土俵に乗ることは致し方ない感があります。

 

相続税が増税となる改正点とは

 では、どのような改正により増税になるのか簡単にご紹介しましょう。

 

改正点:小規模宅地等の特例部分の改正

 例えば、父と母が二人で戸建住宅に住んでいたとします。そして父が亡くなり、この両親が住んでいた住宅を母と別に住居を構える長男が2分の1ずつ相続した場合としてご説明します。

改正前

 特定居住用宅地の小規模宅地等の軽減措置により、土地部分の評価額は240平方メートルを上限として80%の評価減をうけることが可能でした。仮に、この土地の面積が240平方メートルで評価額が1億円だった場合、相続税評価額は8000万円減額されて2000万円となります。

改正後

 上記の軽減措置を受けるための要件が加わり、配偶者以外は、被相続人が住んでいた住宅に継続居住していることが条件となりました。その為このケースの場合、母は特例を利用することはできますが、別世帯を構える長男は上記特例を利用することはできなくなり、1億円の2分の1に当たる5000万円は軽減適用がなく、母の軽減適用後の評価額1000万円(5000万円×20%)との合計額6000万円が課税評価額となることになります。

 

その結果、相続税評価額は4000万円(6000万円-2000万円)の増額となり、もし相続税率が30%だった場合は1200万円の増税となるわけです。

 

 このページでは詳細のご説明は控えますが、この小規模宅地に関する改正は事業用の宅地についても同じような取扱いになっており、過去、及びこれからの相続税対策に検討要因をプラスしたものといえます。

 

この改正に関する詳細は、下記のページをご参照ください。

http://eye-plus.verse.jp/syoukibotakuti-jitaku.html

 

 

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