住宅ローンの安心ラインは返済負担率で考えてはダメ! - 不動産購入・契約 - 専門家プロファイル

西垣戸  重成
EYE-PLUS コンサルティング事業部 部長
兵庫県
不動産コンサルタント
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住宅ローンの安心ラインは返済負担率で考えてはダメ!

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一般的に利用される年間返済負担率とは

 まず、年間返済負担率とはどのようなものなのかをご説明します。

例えば、年収600万円の方が、【借入金額2000万円、金利3.0%、返済期間30年、月々返済額84,320円】の住宅ローンを利用している場合、年間の支払額は1,011,840円(84,320円×12)となります。

この場合、この方の年間返済負担率は16.86%(1,011,840円÷年収600万円×100)となります。上記のように、税込年収に対し年間の支払ローン総額が占める割合のことをいいます。

 

金融機関の貸出基準

 この年間返済負担率は、金融機関の審査基準としても利用されるものです。例えば、住宅金融支援機構の場合であれば、全てのローン(自動車ローン、カードローンなどを含め)年収400万円未満の場合は30%以下、年収400万円以上の場合は35%以下とされています。この基準は、金融機関により多少の違いはありますが、それほど大きな違いはありません。

 

安心といわれる年間返済負担率とは

 そこで金融機関としては、この基準を超えると返済不能になる可能性が高いと判断していることになります。では、上記の基準以下であればすべての方が安心なのか?いえいえ残念ながら全くといっていいほど当てはまりません。

各個人、各家庭によって家族構成や月々の生活費、そして趣味嗜好の違いがあることを考えていただくとお分りいただけると思います。そこで、上記のような違いを考慮した一般的な安心ラインとしては、年間返済負担率20%以内だとといわれています。

例えば、年収600万円の方であれば、年間返済額が120万円以下とうことになります。

 

本当に年間返済負担率が20%以内なら安心なのか

 残念ながら、必ずしも安心ではないといえることが多くあります。これは、住宅購入後の生活を考えると明確になるところです。

住宅購入後の生活を考慮した場合とは、将来の支出、例えば子どがいればその人数分の学費、車が必要なら何年毎かに買換え、そして、たまには外食もしたいし旅行にも行きたいというようなことを試算することです。

私は、このような試算のことをライフプランとキャッシュフロー表の確認と呼んでいます。

 

住宅購入を旅に例えると

 人生を旅に例えることはよくありますが、住宅購入も以下のように「旅」に例えることができます。

行きのキップ=住宅購入、そして帰りのキップ=購入後の生活

時には、あてのない刹那的な衝動に駆られて旅立つのも良いかも知れませんが、人生を左右するかも知れない旅となれば不安だと思いませんか?私は、帰りのキップも持って旅立つ方が安心だと思います。

 

決定前にライフプランとキャッシュフロー表の確認を

 この「ライフプランとキャッシュフロー表の確認」の欠点として、人の気持ちを消極的にさせるもののように感じられる方もいらっしゃいます。確かに、事実は知らない方がいい場合もあります。また、販売を目的とする方々からすると販売促進の足かせになると考える場合もあるでしょう。

 これは私見ですが、この確認は人を消極的にするものではなく、リスクを確認することによって、より積極的に安心感を持って人生を楽しんでいただくためのツールだと思っています。皆様はどう感じられますか?

 参考コラム⇒警鐘!住宅ローンの返済リスクにつてい

http://eye-plus.verse.jp/kariirerisuku.html

ネットで気軽に『家計診断』(EYE-PLUSのHP)

http://eye-plus.verse.jp/keiyaku.html

 

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