- 宮本 ゆかり
- マイウェイネットワーク
- ビジネススキル講師
対象:ビジネススキル
見てみると、中身は2年前からNHKのシリーズで放映されていた『激流中国』というドキュメンタリー番組。
急激に発展する中国国内に潜む、様々な問題や矛盾を浮き彫りにした内容が描かれていました。
ハッキリいって、中国に住んでいる国民にはなかなか知りえない現実・・・というか、公共の電波では流せない体制批判ともとれるトピックもありました。〔言論の自由や、権利にまつわる裁判など〕
そんな中で私が特に印象的だったのが、
「地方からの貧しい出稼ぎ労働者」と、「高齢化による老人ホーム入居者増大」というテーマ。
一見、別テーマの、この2つを見比べることで、深く考えさせられました。
まず前者。
職がない貧しい地方では、低賃金でも働き口を求めながら、夫と妻が遠い街に出かけます。
自宅には、愛する幼い子供と年老いた両親を置いて・・・それが、涙、涙の別れなのです。
出稼ぎに出てしまえば、一年に一度帰れればいいほうで、もう何年も帰れず、仕送りだけしている家族も大勢います。
でも、彼らは、深い家族の愛情で結ばれ、いつか家族が共に暮らせることを夢見て頑張っているのです。
一方、後者。都会では、老人ホームの建設が急増中。
そこそこ収入のある40代ぐらいの世帯が、「親と暮らすのは苦痛だ・・・」という様々な理由をつけて、親を老人ホームに入居させているのです。
老人ホームでは、孤独な老人達が溢れかえっています。
年に一度家族で過ごす伝統がある春節でさえ、親に会いにくる家族は半数も満たしません。
本当に人間て不思議です。
貧しい時は、あんなに家族の絆が強いのに
いざ経済的に豊かになって、いっしょに暮らせる条件が満たされると、今度は離れようとする。
人間にとって、何が一番大切なのか?その価値観を問われているような気がします。