変換効率って???(太陽光発電システム) - 太陽光発電・太陽熱温水器 - 専門家プロファイル

菱田 剛志
株式会社グローバル商事 太陽光発電システム「見積工場」 代表取締役
神奈川県
住宅設備コーディネーター

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閲覧数順 2024年04月26日更新

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変換効率って???(太陽光発電システム)

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最近では良く調べてらっしゃる方も多くて、変換効率がいいからどこどこのメーカーがいいですよね?とか、ご質問で受けることが多いですね。

変換効率! 太陽電池のセル・太陽電池のモジュール・パワーコンディショナ・・・それぞれの効率がカタログに載っていますね。確かに世界NO.1だとか、国内トップクラスとか、確かに技術的には素晴らしく各メーカーさんで競い合って技術の向上を目指していらっしゃいます。

で、設置をお考えの方もそのメーカーの技術水準を計るための一つの指針にはなりえると思います。

しかし太陽光発電システムというものは、実際に屋根に設置してどれだけ発電してくれるか、故障せずに働いてくれるのが一番重要になってくるのではないでしょうか。

それを考えると、条件にもよりますが発電効率なんてどうでもいい!って感じがしています。しかも気温が何度で、モジュール温度が何度でなどなど実際の設置条件ではなかなかないような条件下での最高の値です。設置条件によってはわずかな効率の差であれば太陽電池の種類によっては逆転現象が起こるかもしれないかも?と、考えたりもします。

まず、「モジュール発電効率」っていうのはモジュール(太陽電池)の面積あたりどれだけ最大瞬間に発電するかという、ただそれだけのことです。確かにモジュール発電効率が良ければ設置面積は少なくて済みますが、そこそこの広さの設置エリアが確保できれば何の関係もありません。発電効率が16%と9%のモジュールで3kWシステムを設置したとします。

瞬間の発電量は一緒です。設置面積が違うというただそれだけのことです。コスト的に効率が良い方がコストダウンできるのではないかとも考えますが、正比例しているわけではないようですね。

次に「セル発電効率」なんてのはもっと無意味かもしれません。セルがいくつも繋がってモジュールを構成してますが、セルでいくら発電してもモジュールにすると電極をつけなければいけません。電極によるロスなどもあり、いくら効率の良いセルであってもモジュール製造技術でモジュール発電効率は変化します。

で、最近パワーコンディショナの変換効率もよくご質問されますね。これもある条件下でもっとも効率が良い時点でのお話しです。

またパワーコンディショナというのは、MPPT(最大電力追従制御)なるものが組み込まれています。電力量は電圧×電流です。電圧や電流は常に変動しているためその中で一番電力量を得られる地点を探して、電力に変換するのです。このMPPTの仕組みは各メーカーによって違い、開示されておりません。MPPT次第でいくらある地点での効率が良くても、刻々と変わる日照条件下では効率が低いパワーコンディショナでもトータルの発電量が多くなることも考えられます。モジュールも種類によっては同じワット数であっても電圧や電流が違います。それを数枚毎に系統として、さらにいくつかの系統を束ねてシステムとなります。MPPTは最後の束のところを探していきます。また、メーカーによってはその地点を何分ごとに探しにいくのかも違っているようですので、一概に効率がいいから発電量が多くなるということではないと思います。

難しくなってきたかもしれませんが、太陽電池とパワコンの相性によっても実際に得られる発電量には差が出てくる可能性はあります。

太陽光発電システムは単純なシステムと言えばそれまでなのですが、製品の持っているポテンシャルを最大限に引き出そうとすれば簡単ではないシステムだと思います。最低でも影の影響などを考慮してシステムを組まないと問題で、組み方次第では大きな発電量の差が出る可能性が大きいです。

まぁ、いろいろ書きましたが、結局は発電効率なんてどうでもよくて、年間を通して耐用年数の中でどれだけ多く発電量を得られるかが一番重要ということです。

これに太陽電池の種類による特性があり、温度や日射条件(影も含む)によっては変換効率が低い方が年間の発電量が多いことも多々あります。太陽電池の特性については長くなるのでまた次回ということで、今回は効率はあんまり気にしなくてもいいのでは?という結論でした。

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