- 竹内 和美
- 株式会社オフィス・ウィズ 代表取締役
- 研修講師
対象:キャリアプラン
- 宇江野 加子
- (キャリアカウンセラー)
- 冨永 のむ子
- (パーソナルコーチ)
プロとして、旅館の切り盛りをなさっていらしたのでしょう。
風格は、お手本にしたいと思わせるものがありました。
旅館には、私が先に到着しました。お部屋にご案内くださる手順などは、まさにプロの仕事です。
非常口の案内、お風呂の案内、抜かりはありません。
何年も続けているのでしょうが、マニュアルどおりに仕事をしているのとはわけが違うのです。
さすが!と思い、お部屋に上がりました。
ところが、夕飯の時間の確認のところに来て、「アレ?」と思わしめることが起きたのです。
「お夕食は、お連れ様がいらっしゃらなければお決めいただけないと思いますので・・」
とおっしゃったところで、わたしは女将の言葉を遮ったのです。
「いえ、6時・・・」
ところが、女将は、キッと口角をとがらせ
「お連れ様がそろわれたところで、連絡くだされば、結構です」と、紋切調で言葉を続けられたのです。
言葉を遮った私も失礼ではあったのですが、すでに夕飯の時間は、お宿に迷惑にならないように決めていたので、その時間を伝え、女将は部屋を後にされました。
翌朝、荷物をもってフロントで清算をしていると、タクシーが到着。女将が車にトランクを運ぶのを見て、わたくしの連れは、「あ、腰を痛めませんか?」と心配して声をかけたら、
彼女は、昨夜よりも更に口角を上げて「わたくしは、大丈夫です!」とのこと。
わたしたちの仕事は、書類やテキストをもって歩くので、とにかく重いのです。肩が凝らないことはない!というくらい重いので、心配をしたつもりだったのですが、気丈にふるまう女将の姿勢に、心配したことが迷惑になったんだなぁと思わざるをえませんでした。
フロントで、清算をしていてくれた、女将の息子と思し召しき男性は、そのやり取りを聞いてハラハラしたようで、
そそくさとお釣りをわたしに渡すと、タクシーに荷物を運び込んでくれました。
気丈な女将のふるまいを、あっぱれだと思う人もいれば、気の強さを感じてしまう人もいるでしょう。
プロの仕事とは?を考えさせられる場面との出会いでした。
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このコラムの執筆専門家
- 竹内 和美
- (研修講師)
- 株式会社オフィス・ウィズ 代表取締役
実践型研修で、結果が即・行動に現れます
ビジネススキルに不可欠なコミュニケーション力。ますます重要な「聴く力」「話す力」「論理的に考える力」を高める研修はじめ、企業研修の内製化のコンサルティング、人事政策のアドバイスなど、人事に関する総合的なご支援をしています。