SFCGの資産隠しにNO(その2) - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士
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SFCGの資産隠しにNO(その2)

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雑感
東京地裁は、SFCGの資産を元社長の関連会社であるMAG社に移転
させたことについて、破産管財人からのMAG社への請求を認めただけ
ではなく、大島元社長個人への損害賞請求権も認める決定を下した。
4日3時1分asahi.com記事はこう報じた。

商工ローン大手「SFCG」(旧商工ファンド、破産手続き中)が経営破綻の
直前に2670億円相当の資産を関連会社へ流出させた問題で、東京地裁は
破産管財人の申し立てに対し、大島健伸元社長個人への損害賠償請求権を
認める決定をした。
「債権者の請求を免れるため会社の財産を移転させた」と指摘、
元社長による損害額は約717億円と査定した。
決定は、企業を破綻させた役員の責任追及と残った財産の分配を迅速化
するため、05年1月施行の改正破産法で導入された「役員責任査定」制度
を使った手続きで、実際に決定が出るのは極めて珍しい。
確定すれば損害賠償請求訴訟の判決と同様の効力を持ち、
支払いに応じない場合、裁判所は財産を差し押さえることもできる。
決定は2日付で、SFCGが昨年9月以降、大島氏の親族が社長を務める
関連会社などへ株や債権を譲渡した行為は、対価がなく無償だったと認定した。
また、SFCGがすでに経営難に陥っていた昨年11月、大島氏の役員報酬は
月額2千万円から9700万円へ引き上げられ、親族会社に支払っていた
自宅と空手道場の家賃も月1525万円から3150万円へ値上げされた。
こうした増額について、決定は「なんらの合理性、必要性も認めることが
できない」とした。
そのうえで、地裁は「SFCGがすでに支払い不能の状態にあると
知りながら、会社の財産を減少させたと評価せざるを得ない」とし、
社長だった大島氏について「取締役としての注意義務違反ないし
忠実義務違反があることは明らか」と指摘。
一連の違反で約717億1583万円の損害が生じたと結論づけた。
大島元社長は5月、自身への破産申し立てに対する答弁書の中で、
資産の無償譲渡について「対価は支払われた」と否定。
役員報酬についても「株式売買でSFCGに多大な利益をもたらしており、
報酬は相応の額だ。株主総会でも決議され、法に抵触しない」と反論していた。
今回の決定は、不服申し立てがなければ約1カ月で確定する。
SFCGの負債総額は約5480億円。
破産手続きをめぐっては、財産の無償譲渡を受けた親族企業に対する
約300億円の支払い請求権を管財人に認める決定も出ている。




当然といえば当然の決定である。
破綻が見えてきた時期に、役員報酬の増額、会社借上げ社宅の賃料増額等、
経済合理性を欠いた取引をしているようでは、業務上横領であるとして
刑事告発されてもおかしくないですね。

自分の築いてきた財産を守りたかったんだろうけれど、あまりにも拙速。
法治国家をなめているとしか言いようがない。

昨日は、事業承継との絡みで書きましたが、彼らが本当にやりたかったことは、
自分の手持ちの金を隠し切ることでしょうね。
それであれば、なぜ日本の銀行にお金を預けるんでしょうね。
なぜマフィアの財産はスイス銀行に多いんですかね。
隠したいのであれば、どの法律でも罰せられないくらいに知恵を絞らないと
ダメですよ。
少なくとも、全ての国会議員よりは知恵を絞らないと。
ただでさえ、日本の官僚は頭脳集団としての優秀性は世界に冠たるものであり、
彼らが作る法律の原案はなかなか優秀なんですからね。

世界のセレブ達の祖先が血の代償を払いつつ、知恵を働かせて現在の
地位を築き上げてきたのです。
そもそも法の近代化の歴史は、法の抜け穴を潜り抜けようとする者と
それを取り締まる者との戦いの歴史でもあるわけです。

知恵を働かせる気もないバカタレには罰が与えられてしかるべきである。

ただ、法を作る者は、法の網の目を抜けようとする不届者を想定して
それに対処できる法を作っておくべきでしょう。

昨日も書きましたが、地裁の決定は至極真っ当な結論であり、
努力をしない者にはそれ相応の罰が加えられたことは評価すべきであろう。
粉飾決算は違法行為であり、粉飾に基づいて自己の利益を図るのは言語道断。
一族経営による不祥事は見るに耐えないところです。