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SFCGの資産隠しにNO

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雑感
経営破たんする直前に、会社の財産を他に譲渡して財産隠しを図ったとして
その財産を譲り受けた会社に対して破産管財人が申し立てた支配請求が
認められる判断が東京地裁であった。
3日7時3分asahi.com記事はこう報じた。

商工ローン最大手SFCG(旧商工ファンド、破産手続き中)が2月に
経営破たんする直前、株や債権などの同社の財産を無償で子会社に
譲渡したことについて、東京地裁は2日までに、破産管財人が子会社に
申し立てた財産相当額約300億円の支払い請求を認める決定をした。
大島健伸元社長らSFCG経営陣による「不当な資産隠しだ」とする
管財人の主張を認めた。
管財人が支払いを求めた相手は、大島元社長の長男が社長を務める
「MAGねっとホールディングス」(ジャスダック上場)とそのグループ2社。
管財人によると、SFCGは昨年10月、子会社であるMAG社に対し、
所有していた同社の全株1368万余株を無償で譲渡した。
さらに今年1、2月には、SFCGの持っていた子会社の株やローン債権
などをMAG社を含む3社に無償で譲渡していた。
管財人は4月、東京地裁に対し、これらの無償譲渡でSFCGの資産が
失われたとして、3社に対し相当額の支払いを求める「否認の請求」を
申し立てていた。
SFCGをめぐっては、金融危機で経営難に陥った昨年9月ごろから
2月の破綻直前までの間に、約2670億円相当の債権や株などの資産が、
当時社長だった大島氏の親族会社など7社に無償や格安で譲渡されていた
ことが、管財人の調べで明らかになっている。
管財人は、無償や格安での資産の譲渡は会社法違反(特別背任)の疑いが
あるとして、大島元社長ら旧経営陣の刑事告訴を検討している。
今回の地裁の決定について、管財人の瀬戸英雄弁護士は「失われた財産を
取り戻し、債権者への平等な配当に努めたい」とした。
一方、MAG社は「今はコメントできない」としている。
同社が不服を申し立てなければ、地裁決定は約1カ月後に確定する。
MAGねっとホールディングスは、グループ傘下に不動産関連の投資や
金融などの企業10社を持つ持ち株会社。
09年3月期決算短信によると、純資産は約79億円。
約300億円の支払い請求が確定すると、経営に多大な影響を与えそうだ。
大島氏は05年から昨年10月まで会長を務め、昨年10月にSFCGが
MAG社株の無償譲渡をした直後、同氏の長男が社長に就いた。




一族経営による乱脈経営が破綻した結果、それまでの悪行が明るみに
出てくる事例が後を絶たない。

大久保一族による漢検事件に続き、このニュースも大島家による横領としか
言いようがないあきれ果てた事件である。

破産管財人が刑事告訴を検討することは当然のことであろう。
今回請求が認められた300億円を純資産が80億円に満たないMAG社が
払えなければ、SFCGの債権者たちへの配当もそれだけ少なくなるわけで、
被害者救済ができなくなるからである。

しかし、SFCGのやり方というか、MAG社のあり方自体が、旧態依然
とした日本の一族経営を象徴している気もしますね。
MAG社の会長を父親が長く務め、実権を握りつつ、SFCGの破綻により
自分の身が危うくなってきたら、息子に社長の座を譲り、院政を敷く。
老害の兆候を示す創業者社長に多い、晩節の汚し方であろう。

息子も息子で、偉大な父を乗り越えることができずに、形式的には引退した
はずの父親の七光りがご威光としてなければ、古参幹部たちにさえ指示を
出せなかったりもする。

そんな会社はわが国に嫌ってほどある。

私は、一昨日、茅場町でFPさんを対象とした事業承継税制のセミナーで
講師をしましたが、親族内継承のデメリットがもろに出るケースですね。

バカ息子ほどかわいいとよく言われますが、子どもに経営者としての
適性がないのであれば、引導を渡すのも親の大事な務めでしょう。

従業員の人生を背負う覚悟ができないのであれば、背負った当人だけではなく、
そんな背中に乗せられてしまった従業員が不幸ですよ。

特に、新しい事業承継税制は、相続税の80%納税猶予という驚異的な
減税効果の反面、5年間の事業継続要件、80%の雇用の維持が求められて
いることからわかるように、事業承継をきっかけとしたリストラを防止する
ことが趣旨として盛り込まれているのです。

事業継承者の選定をしっかりやっていかないと、事業承継後5年をもたずに
経営破たんしてしまえば、会社を失うだけではなく、相続税の納税猶予が
解除され、その時点で猶予されていた相続税額を延滞税込みで耳揃えて
支払わなければならなくなるのですから。
言うなれば、会社を失うだけではなく、身包み剥がされることになるのです。

資産の移転は拙速に行えば、経済合理性を失うことが圧倒的に多く、
税務署も認めることができないケースが多くなる。
どうしても資産移転を行いたいのであれば、事前にキチンと計画して
ある程度の時間をかけて行う必要があるのですね。

私は事業承継を成功させるためには10年の準備期間が必要だと思います。
社長が元気なうちに帝王学を学ばせて、社長の経営理念を継承させ、
対外的にも(特に従業員と金融機関)後継者が誰であるのか認識させる。
金融機関は会社の借金の連帯保証人である社長から誰に連帯保証を
背負わせることになるのか、早いうちから知っておく必要があるからだ、

その上で、生前贈与を使うのか、売買でやるのか、最終的な税コストを
見極めた上で、税金を払いながら時間をかけて資産移転していくべきなんです。

無償譲渡で拙速に行うなんて、税務署が認めるわけないんです。
社会的にも認められるはずがないんです。

それも今回の事件はSFCGの社長とMAG社の会長が同一人物ですから、
SFCGの資産を破たん前に資産隠しをしたと見える状況証拠が揃っている。
これで税金逃れをしながら資産隠しができると思う神経をどうかと思う。

そういう意味では、東京地裁の判断は至極真っ当な判断だと思う。

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追悼、手塚太郎君(2012/04/05 10:04)