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前払い要求の注文住宅メーカーの破綻

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注文住宅メーカーの相次ぐ破綻により、建設資金を前払いしているにも
かかわらず、家が完成できないという事態が生じている。
13日6時31分asahi.com記事はこう報じた。

注文住宅の建築を請け負っていた中堅ハウスメーカーの倒産が相次ぎ、
多額の「前払い金」を支払いながら着工されなかったり、家が完成
しなかったりするケースが続出していることが分かった。

宅地建物取引業法(宅建法)が適用される建売住宅やマンションの場合
には、メーカー側が倒産しても前払い金(手付金)を救済する仕組みが
あるが、同法の対象外である注文住宅にはこうした仕組みが十分に
整っていないためとみられる。
顧客側はほとんど救済されないという。
注文住宅は約2万5千社の業者が年に約30万戸建築しており、被害の
拡大が懸念される。

被害が出ているのは、いずれも破産した富士ハウス(浜松市)や
アーバンエステート(埼玉県川口市)の顧客だ。

富士ハウスは、関東や関西で注文住宅の請負を展開。
08年3月期の売上高は418億円だったが今年1月末に破産、グループの
負債総額は638億円。
破産管財人によると、顧客が前払い金を支払い済みなのに着工にも
至っていない分が1438件、未完成の分が420件あり、被害総額は55億円に
上る見通しだ。
注文住宅では一般的に、契約時に総工費の1割、着工時3割などと
仕上がりに合わせて支払いが進むが、同社は「工事代金を全額払うと
数%割り引く」などと営業。
このため、実際の工事の進み具合よりも1千万円以上多く払っていた顧客が
少なくとも約180人いるという。
一方、同社に残った資産は10億円足らず。
全額が債権者に分配されるが1千万円払った人で170万円の見通しだ。

アーバンエステートは4月初めに負債54億円を抱えて破産。
富士ハウスと同じように、前払い金を支払い済みなのに未完成の物件が
550件あり、苦情が続出。
国土交通省が確認を急いでいるが、仕上がり具合より数百万〜1千万円以上
も多く払った顧客が現時点でも100人近くいる。

被害が一気に発覚したのは突然の破産だったためだ。
通常、一定レベルの規模のハウスメーカーが破綻した場合、建築中の物件が
多く将来的な利益が見込めるため、金融機関などの支援の下で再生を前提
にした民事再生法が使われることが多い。
しかし、富士ハウスは再生でなく会社整理を選択、3月以降に完成する
契約はすべて解除される。
また、アーバン社は当初、民事再生法を申請したが債権者の支援を得られなかった。

「前払い金の問題を含め、富士ハウスの規模で、突然の整理は例がない」
と困惑する国交省は2月末、前払い金の受け取り方を「適切」にするよう
業界団体の住宅生産団体連合会(住団連)に要請。
これを受けて住団連も「完成前に過度な前受けをしない」などとする
ガイドラインを作ったが、効果は未知数だ。(座小田英史、小川弘平)





やはりというか、中小が前払いをお願いし始めるときは、資金繰りが
苦しいときという意味だったわけですね。
それも、破綻した両社は、かなり悪質なケースである。

会計的に見えてくるところでも、注文住宅であれば、一件当たりの単価が
低いため、国際的に批判を浴び原則廃止の方向に進んでいる工事完成基準で
売上計算を行っている。
わが国固有の商慣習になりつつあるのですが、工事代金の請求は工事が
完成してクライアントに請求するという流れが一般的ですよね。
中小企業の場合には、資金の流れが工事完成基準に則っているのだから、
完成基準に合理性があると言えるのですね。

しかし、今回のケースのように、工事代金の前払いを行っている場合には、
お金の流れと売上計算の流れがズレてしまうんですね。
そうであれば、国際的な潮流と同じく、工事の進行度合いに合わせて
請求を行い、売上計算も行う方法として工事進行基準を使う方が合理的
となるのですね。

ただ、今回のケースでは、工事の進行度合いとも異なり、代金を受け取り
ながら工事自体が未着工であったり、進行度合い以上に受け取っていたり
という状況なので、会計が解決の糸口にはなりにくいですが。

上場企業であれば、一応財務状況は公開されていますから、決算時点での
数字による評価は可能です。
未確認で書きますが、おそらく前受金が前年比で相当増えているはずです。
それにもかかわらず、現預金はそれほど増えていなかったのでしょう。
そうすれば、売上が向上してもキャッシュフローが改善されませんので、
(先に貰っているから現金が増えるはずありませんよね)
利益が上昇したとしても、財務内容が向上したと評価できないですね。

今回の破綻劇も経済状況が悪化した場合のシナリオとして予想できたことです。
小泉改革によってもたらされた自己責任社会にもかかわらず、自己責任を
果たす準備をされていなかったとしか思えません。

特に不動産取引は多くの方にとって一生を左右する一生に数回あるかどうかの
重要な決断です。
相手は不動産取引のプロですから、素人考えで対抗できるはずないんですが、
合見積を取るなり、なぜ考えないのでしょうか。
プロフェッショナルが素人を騙そうと思えば、簡単なんですよ。

これは我々税理士にも言えることです。
クライアントが税理士に不満を持つことも多いようですが、
医者の世界と同じく、若手の中には、セカンドオピニオンを売り物にしている
方も出てきているのです。

安心のためには比較されてみることも面白いと思いますよ。
やっぱりウチの先生がいい、と言って貰える仕事をすればいいのですから。

今回のケースでは営業マンのセールストークに乗ってしまった方が多かった
のではないかと思いますが、売らんかなの営業をしているのであれば、
センセーショナルなコピーやその気にさせる武器を用意するのですね。

とにかく自分の売上が欲しい方であれば、値下げするでしょうね。
しかし、安かろう悪かろう、であることも多いんです。

それは自己責任の範囲ですね。
判断ミスをしたわけですから。

業界のガイドラインがあいまいな状況が今回のケースでは被害者を生んだ
原因の1つにあるとは思いますが、悪質な業者に騙されていることに
業者が破綻するまで気付かないのも、甘いと言われても仕方がないでしょう。

前払いをお願いしている業者の中には、規模が小さいがために資金繰りが
苦しく、仕入もママならないので前払いをお願いしているケースもあります。
いい仕事をしてくれる業者もいるだけに、今回の悪質なケース(彼らも
最初に手を染めたときは悪質にやるつもりはなかったんでしょうが)は
加害者だけではなく、被害者に対しても、残念でなりませんね。

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