- 山本 雅暁
- グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
- 神奈川県
- 経営コンサルタント
対象:新規事業・事業拡大
- 下村 豊
- (経営コンサルタント)
日経記事;『ドラッグストアも異業種も オンライン調剤、処方箋握れ』に関する考察
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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。
2月13日付の日経新聞に、『ドラッグストアも異業種も オンライン調剤、処方箋握れ』のタイトルで記事が掲載されました。
本日は、この記事に関して考えを述べます。
本記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『処方箋を薬局に持ち込み、薬剤師から薬を受け取る――。これまで当たり前だった薬局のあり方が変わろうとしている。規制緩和を追い風に異業種が参入するなか、ドラッグストア大手はオンラインによる服薬指導を多様化する。オンライン対応の成否は、薬局機能を収益力の要として集客してきたドラッグストアのビジネスモデルの成長性を左右する。。。』
私は、これまでに何度か小規模の調剤薬局の新規開業を支援しました。この経験も含めて、大きな事業環境の変化が起こりつつある調剤薬局の状況、課題、あるいは対応などについて考えを述べます。
電子処方箋の運用が、2023年1月26日から始まりました。この電子処方箋を運用するには、医師や薬剤師は、オンライン資格を取得する必要があります。
1月23日付の日経記事『電子処方箋、低調なスタートに 医師ら資格取得1割のみ』によりますと、2022年12月末時点でのオンライン資格取得率は、医師が11.4%、薬剤師が7.5%でした。
上記オンライン資格取得率が低いことが、今後も電子処方箋の普及が進まないことを意味するものではないと考えます。
それは、電子処方箋が患者に大きなメリットを与えることによります。まず大きなメリットは、患者の薬の処方データがすべてシステムに登録されることです。
医師や薬剤師は、患者の同意があれば、当該システムにアクセスして、過去に処方された薬、あるいは他の医療機関で処方されている薬のデータを、確認することができるようになります。
医師や薬剤師が、患者データを見ることにより、副作用などの飲み合わせによる薬の投与を防ぐことが可能になります。このシステムは、この重複や併用禁止の処方を、自動的にチェックしてくれる機能も付いてます。
このシステムには、患者に投与された薬のデータが3年間保存されますので、医師や薬剤師だけでなく、患者もマイナポータルから自身のデータを見ることができます。
この患者にとってメリットがある電子処方箋のシステムを診療所、病院、調剤薬局が導入しないと、患者はその恩恵を得ることができません。
一方で、:一般社団法人日本保険薬局協会デジタル推進委員会が、2022年9月に発表しました、『電子処方箋に関する理解度・導入意向等の調査報告書』によりますと、下記の結果となりました。
・オンライン資格確認システム導入に関しては、21/11時点の計画通り進捗し、22/8月時点では78.0%、23/3月末時点では、ほぼ全薬局において運用を開始する見通しである。
・電子処方箋に関しても、全薬局の導入を目指すと回答したのは、53社(52.5%)、7,788薬局(61.3%)であり、積極的な導入意向が過半数を占めた。
詳細は、下記Webサイトに掲載されています。
https://secure.nippon-pa.org/pdf/enq_2022_09.pdf
薬局のオンライン資格取得率は、上記のように高くなる可能性があります。これは、政府が電子処方箋の運用を開始することが影響しています。
もちろん当該調査報告書では、オンライン資格確認システム導入費用負担、病院や診療所の医療機関の導入状況見込などの課題や不安を感じています。
このような状況下、厚生労働省は2022年8月10日に開催した第527回中央社会保険医療協議会 総会において、「更なる対策」として医療機関・薬局でのオンライン資格確認を2023年4月以降は原則義務化することを決定しました。
また、オンライン資格確認を利用する場合の診療報酬の見直しと、顔認証付きカードリーダー導入に係る費用の補助金を見直すことも決定されています。
これから新規に調剤薬局を開業する場合や、既存調剤薬局においても更なる収益拡大を図るには、オンライン調剤を視野に入れて、事業することが極めて重要なことになります。
私が以前に小規模な調剤薬局の開業支援を行ったときには、オンライン調剤の環境はありませんでした。
このため、調剤薬局の開業場所は、世帯人口、高齢者人口、児童人口、競合薬局の有無などを、調査、分析して、採算が見込めるところとしてきました。
しかし、今後は調剤薬局の開業や既存調剤薬局の事業基盤強化は、上記に加えて、オンライン調剤への対応を含めて考える必要があるあります。
国内のオンライン調剤市場に、アマゾンジャパンが新規参入してくる可能性もあります。そうなると、既存の大手薬局チェーンも含めて、群雄割拠の戦国時代に突入する可能性があります。
この事業環境下で、小規模調剤薬局が勝ち残っていくには、アマゾンや大手調剤薬局が入ってこない市場で直接的な競合を避けて、各薬剤師が専門的な知識、知見をより一層向上させることにより、高齢者や患者に寄り添って、事業を行うことが必要不可欠になります。
例えば、高齢者や患者のちょっとした困りごとや相談ごとに親身になって対応する、提供する薬の期待効果や副作用のリスクなどを丁寧に説明するなどして、顧客側と信頼関係を構築するなどの動き方になります。
更に、調剤薬局として患者から高評価が得られたら、開いている場所に関係なく、他地域の患者からオンラインで処方箋を受けることもできます。
ちなみに、私が支援しました調剤薬局は、すべて元気に活動しており、オンライン調剤への対応も積極的に行っています。
よろしくお願いいたします。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁
このコラムの執筆専門家
- 山本 雅暁
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起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上
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