- 山本 雅暁
- グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
- 神奈川県
- 経営コンサルタント
対象:新規事業・事業拡大
- 下村 豊
- (経営コンサルタント)
日経記事;『ANAHD、「空飛ぶタクシー」参入 関空から大阪駅15分』に関する考察
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皆様、
こんにちは。山本です。
2月15日付の日経新聞に、『ANAHD、「空飛ぶタクシー」参入 関空から大阪駅15分』のタイトルで記事が掲載されました。
本日は、この記事に関して考えを述べます。
本記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『ANAホールディングス(HD)が日本で「空飛ぶタクシー」の運航事業に参入する。トヨタ自動車などが出資する米新興企業、ジョビー・アビエーションと業務提携し、同社が開発している電動式の垂直離着陸機を活用する。米ボーイング系も参入の意向を示しており、日本でも新たな空の移動手段を巡る競争が激しくなりそうだ。。。』
本記事に関しては、ANAが2月15日にプレスリリースしています。詳細は、下記Webサイトに掲載されています。
https://www.anahd.co.jp/group/pr/202202/20220215-2.html
ANAは、上記Webサイトに、『ANAホールディングス(本社:東京都港区、代表取締役:片野坂真哉、以下「ANAHD」)と、Joby Aviation(本社:米国カリフォルニア州Santa Cruz、CEO:JoeBen Bevirt、以下「Joby」)は、電動エアモビリティeVTOLを活用した、日本における新たな運航事業の共同検討に関する覚書(以下「覚書」)を締結しました。本覚書には、地上交通における連携等を想定し、トヨタ自動車も参加しています。』と書いています。
eVTOLは、電動モーターで複数の回転翼を回転させ、垂直離着陸できる小型航空機、空飛ぶタクシーです。
この空飛ぶタクシー、あるいは空飛ぶクルマが実用化され、市場導入されるのは、2025年に開催されます大阪・関西万博と推測しています。これは、大阪・関西万博での導入は、注目度が高く、万博期間中に問題なく運用されれば、大きな関心をもたれることにより、その後の事業展開につながることによります。
また、大阪・関西万博に関しては、2021年9月15日に「空飛ぶクルマ」を開発するSkyDriveは、大阪府および大阪市と、大阪での空飛ぶクルマの実現に向けた連携協定を締結したと、プレスリリースをしています。このプレスリリースは、下記Webサイトに掲載されています。
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1351278.html
このSkyDriveは、ベンチャー企業であり、トヨタやパナソニックなどのメーカー出身者が、社員となっています。
SkyDriveが目指すのは、空飛ぶタクシーではなく、個人向け2人乗りの空飛ぶクルマと、荷物運搬用のドローンです。
一方、Jobyが開発を進めるeVTOLは、電動で低騒音かつ排気ガスがゼロであると同時に、最大航行距離約150マイル(270㎞)超、最高速度200mph(約320km/h)で航行可能な5人乗り仕様とされます。空飛ぶタクシーに合う仕様になっています。
空飛ぶクルマや空飛ぶタクシーは、ドローン技術の応用編になります。したがって、今後この商品市場に対して、多くの企業が参入するとみています。
当該市場へ参入する企業は、ドローン専業企業、自動車メーカー、ANAのような航空会社、タクシー会社、グーグルなどのIT企業による自動運転機能付EVの提供企業などが想定されます。
また、空飛ぶクルマやタクシーは、人を乗せますので、ものを運ぶドローンと比較して難易度の高い、航空機と同様な型式証明の取得が必要不可欠になります。
一般的にSkyDriveのようなベンチャー企業には、型式証明の取得が難しい課題になります。SkyDriveは、三菱航空機出身の社員が複数入社しており、この課題に取り組んでいます。
なお、SkyDriveについては、1月30日(日)のNHK BS1スペシャルにて「激烈!開発競争 空飛ぶクルマ」と題したドキュメンタリーで紹介されています。
私はベンチャー・中小企業を支援していますので、個人的にはSkyDriveのようなベンチャー企業が、空飛ぶクルマや荷物運搬用ドローンの開発・実用化に成功することを期待します。
SkyDriveと並んで、国内企業では、テトラ・アビエーション(teTra aviation)が空飛ぶクルマの開発・実用化を進めています。
テトラ・アビエーションは、まず米国の個人向け市場を開拓します。テトラ・アビエーションは、すでに米国で認証取得済みであり、今年末頃から販売開始します。
SkyDriveとテトラ・アビエーションは、共に個人向け空飛ぶクルマの開発・実用化を行います。この市場には、欧米や中国などから多くの企業が参入しますので、両社は、徹底的な差別化・差異化を実現する技術力と、迅速な開発・実用化を実現する開発・設計。製造委託手法が必要になります。
個人向け空飛ぶクルマや空飛ぶタクシーの事業化は、自動運転機能付EVに比べて、はるかに高い難易度に直面します。
SkyDriveやテトラ・アビエーションが、今後、山積する課題を解決して、国内や米国で個人向け空飛ぶクルマの開発・実用化に成功することを大いに期待し、注目していきます。
これらのベンチャー企業が、新規に市場を作りつつ事業化を行うやり方が、今後の国内ベンチャー・中小企業の参考事例になることによります。
よろしくお願いいたします。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁
このコラムの執筆専門家
- 山本 雅暁
- (神奈川県 / 経営コンサルタント)
- グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上
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