- 中野 博
- 株式会社エコライフ研究所 代表取締役
- 埼玉県
- 経営コンサルタント
対象:ビジネススキル
「もうそろそろ、寝る時間も近いから、最後の話としよう。この木の家は家族の健康を守るだけでなく、エネルギーもあまり使わない家なんだ、ということはなんとなくわかってくれただろう?ジャー今度はいかに簡単に手入れができるか、いかに将来リフォームも安くできるか、という話をしよう。」
「え?リフォームも安くできるの?」
「そうだよ、理由は簡単でこの家は木と中心に作ってあり、そのほかの材料は自然界にある材料だけでできているんだ。壁は塗り壁と言って、汚れたら、上から自然塗料を汚れた部分だけ塗れば、また新品同様になるんだよ。普通の家とか、前に住んでいた家はクロスが張られていた。汚れてくると、いくら雑巾などでひても汚れが落ちない場合がある。そこで、だいたい7−8年ごとに壁を全部はがしてクロスを張り替えてしまう。このクロスを張り替えるときに、またお金がかかってしまうんだよ。」
「前の家も一度張り替えたけど、張替え工事のときは大変だったよね。」
「そうだね、家具や荷物などを全部移動させなくてはいけなかったし、寝る場所も一時的になくなったり、いやなにおいやほこりなどもすごく出たから、家族のみんなが具合が悪くなったよね。」
「そうだったわね、私は後片付けの掃除が大変でしたよ。」
「あのときのクロスは塩化ビニールクロスといって、安くて種類も豊富だから、戦後日本ではものすごく普及したものなんだ。でも、最近わかったけど、健康に良くない物質があることがわかって敬遠され始めているんだよ。」
「えー、じゃあ、前に住んでいた家は危険がいっぱいだったの?!」
「すまなかった、パパもそんなこと全然知らなかったんだ。」
「学校でも教えてくれない、お医者さんも教えてくれない。だけど、危険がいっぱい、なんて、なんか変だね。」
「大樹がアトピーになったり、恵子がアレルギー性鼻炎になったり、ママの体調が悪かったのも、たぶん、家の原因かもしれないって、思ったんだ。我が家ではお母さんのおかげで食べるものは安全な食材を選んでくれているし、水もいい水を飲んでいた。それに、適度な運動もしていたし、原因がわからずに困っていたんだ。だから、お父さんは必死になってインターネットで調べてみたり、たくさんの本を読んで勉強したんだ。今こうして、勉強した結果選んだこのいい家に住んで、みんなの健康状態が良くなったことを思うと、ちゃんと勉強すれば、いい家に住めることがわかった。」
「じゃー、みんなが勉強すれば、いい家に住めるんだね。」
「もちろん、そうさ。でも、拓也君のお父さんも翔平君のお父さんも、勉強していないんじゃないかな?」
「どうして?」
「常識を疑わないからさ。」