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ギリシャの概況と債務問題、日本への影響は軽微な見通し

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■ギリシャの概況
本年6月30日ギリシャはIMFへの支払いについて先進国で初めて「延滞」になりました。次いで7月5日にIMF・ECB・ユーロ圏諸国の支援策の受け入れについて国民投票を行い60%以上国民が拒否しました。今後長い交渉が続き、一部にはギリシャがユーロ圏から脱落する懸念も出ています。7月8日にはチプロスギリシャ首相から再建案が提出され、7月10日にギリシャ国会が承認したことからEC各国は本日7月12日に首脳会議を開きます。

一部にはギリシャのユーロ脱退も視野に入れた厳しい対応を迫るべきとの意見もありますが、今回の再建案は増税内容として、付加価値税(VAT)ではレストランに対する課税率を13%から23%に引き上げ、観光で収入が見込める離島への軽減措置を撤廃する。

年金の改革では、早期退職の厳格化などで年金支出の削減を盛り込みEUの要求に応じる一方、国防費はEUが求めた4億ユーロではなく、3億ユーロに止めています。
この内容は6月末のEUもIMF、ECBが提案した改革案よりも厳しい内容と報道されています。
欧米メディアによれば、このような再建案を実行する見返りとして、2018年6月までの3年間で、EU側に総額535億ユーロ(約7兆円強)の融資を求めているようです。

欧米メディアによると、ギリシャはこうした財政再建策を実行する見返りとして、2018年6月までの3年間で、EU側に総額535億ユーロ(約7兆2千億円)の融資を要請する方針。さらに、安定的な財政運営のため、国内総生産(GDP)比177%に上る政府債務の返済負担の軽減を目指している。交渉がまとまる可能性が高くなっています。

■近代ギリシャの実像
・多くの日本人が持つギリシャは、地中海に面した国土、アテネに代表される民主主義発祥の地、歴史遺産が多数あるギリシャ神話の国、オリンピック発祥の地かと思います。
・近代ギリシャは1821年3月25日(独立記念日)から始まるオスマン帝国(1453年からギリシャを支配)との独立戦争で、1832年6月にコンスタンティノープル条約によって独立が認められた、比較的若い国です。宗教もギリシャ正教で西欧とは異なる文化の国です。

・独立後、1946年~1949年の内戦を経て1967年~1974年は軍事政権、1974年に君主制を廃止・共和制となり、2015年までの41年間で9回も政権・政党が変わる政情不安の国です。今は急進左派連合が政権を担いその首相がチプラス氏です。

・独立後現在までの期間の半分がデフォルト状態にある国。
デフォルト又はリスケジューリング期間と件数累計として、独立年~2008年まで5回、その期間は50.6%です。国の歴史の50%がデフォルトとリスケジューリング状態の国です。
(出典:カーメン・M・ラインハート ケネス・S・ロゴス著「国家は破綻する」日経BP社刊)

■経済的には小さいが地政学的に重要な国
・地政学的に重要な地域(バルカン半島にあり、黒海と地中海を繋ぐボスポラス海峡に面し、北にはバルカン諸国、それを覆っていたロシア(過去ソビエト)との接点、アジアとヨーロッパの接点でもあり、イスラムとキリスト教の接点という地理上の重要地で、第二次世界大戦後は1952年にNATO加盟し、1981年にヨーロッパ共同体(現EU)に加盟しています。
この為EU諸国と米国にとって、「手放せない地」としてギリシャ問題で悩む要因です。
それを背景にギリシャも過去から債務に関し強気の交渉をしてきました。

・同国の主要産業は観光業、海運業、鉱工業、農林水産業で実質1,610億ユーロ(2013年:IMF)
経済規模は2014年GDP2,380.2億ドルで世界45位、ヨーロッパで15位、ユーロ圏では10位、そして日本の約20分の1です。

■日本とギリシャの経済的関係
日本とギリシャの経済的関係は、2013年貿易額は日本の輸出150億円、日本の輸入177.9億円と小規模です。輸出品は一般機械、鉄鋼、輸送用機器類で、輸入は石油製品、綿花、果実等です。

金融関連は20年前発行で本年償還の円建て国債が117億円、ギリシャ国有鉄道発行のサムライ債(2016年償還)が主な債券です。

◎これらのことから、ギリシャの破綻による日本への影響は軽微と考えられます。
ただし、上海株式市場急落もあり、カオス理論のバタフライ効果(南米で蝶が羽ばたいた影響で、カリブ海のハリケーンが米国に上陸するという、些細な原因で大きな変化が起きる)への恐れから、金融界はリスクオフになっています。

下図は2014年7月9日から2015年7月8日の日経225、NYダウとS&P500の騰落推移です。6月16日からの不安定さ下降トレンドが見て取れます。

150712日経225NYダウ年間推移


■今後の日本への影響
・日本にとって、ギリシャ経済が破綻しても直接の損失は軽微です。むしろ、それによりユーロの信認が揺らぎ、ユーロに対して円高になった場合、世界のGDPの約20%を担う経済圏との貿易等の影響は大きく、企業業績への悪影響と株価の伸び悩みがあると思われます。

現在進んでいるバーゼル3での銀行が保有する国債等ソブリンリスクへの自己資本増強に影響することが懸念されています。ご承知の通り、世界一の債務が積み上がっている日本は、銀行の保有量を調整しつつあります。これの加速やより一層の増強を求められることが懸念されています。


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