ライフプラン上のリスク 離婚時の知識(婚姻費用・財産分与)と婚前契約 - 家計・ライフプラン全般 - 専門家プロファイル

吉野 充巨
オフィスマイエフ・ピー 代表
東京都
ファイナンシャルプランナー

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閲覧数順 2024年04月24日更新

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ライフプラン上のリスク 離婚時の知識(婚姻費用・財産分与)と婚前契約

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前回は公的資料に基づく、挙式・披露宴の費用について、各県別の違いを紹介しました。

愛の永遠を誓った二人ですが、色々なご事情により離婚しなければならないケースもありますので、裁判所の資料に基づき、結婚と離婚に纏わる費用を紹介します。

 

離婚の種類別にみた離婚の年次推移(厚労省HPより)です

期間は昭和25年~平成20年で裁判離婚と協議離婚の割合を表わしています。裁判離婚が徐々に増えていることが分かります。

また平成16年~平成20年の裁判離婚の内容で、判決離婚の割合は減少し調停離婚が増加していることが分かります。

 

なお、当該グラフには下記のコメントがついています。

都道府県別に平成20年の協議離婚の割合をみると、最も高いのは沖縄で92.0%となっており、次いで大阪、高知の順となっている。一方、最も低いのは山形で81.4%となっており、次いで島根、石川の順となっている。

 

都道府県別に平成20年の協議離婚の割合をみると、最も高いのは沖縄で92.0%となっており、次いで大阪、高知の順となっている。一方、最も低いのは山形で81.4%となっており、次いで島根、石川の順となっている。

 

では、離婚に纏わる費用を紹介します。法律に関わる事柄ですので、裁判所HPから文言を引用いたします。

■別居中に必要な婚姻費用

・婚姻費用とは、別居中の夫婦の間で,夫婦や未成熟子の生活費などの婚姻生活を維持す

るために必要な一切の費用(婚姻費用)のことです。

・この費用の分担について、当事者間の話合いがまとまらない場合や話合いができない場

合には,家庭裁判所にこれを定める調停又は審判の申立てをすることができます。

・調停手続を利用する場合には,婚姻費用の分担調停事件として申立てをします。
調停手続では,夫婦の資産,収入,支出など一切の事情について,当事者双方から事情

を聴いたり,必要に応じて資料等を提出してもらうなどして事情をよく把握して,解決案を提示したり,解決のために必要な助言をし,合意を目指し話合いが進められます。

・話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には自動的に審判手続が開始され,

裁判官が,必要な審理を行った上,一切の事情を考慮して,審判をすることになります。

 

■養育費は父母の義務です

  • 父母は,子どもの生活(衣食住,教育,医療など)について,自分自身の生活と同じ水準を保障する義務を負っています(これを「生活保持義務」といいます)。この義務に基づいて父母が負担する費用が,養育費です。

・良くあるQ&Aには下記の例が記載されています

Q. 離婚したときに,養育費を取り決めなかったのですが・・・

A. 離婚した後でも,養育費を取り決めることができます。

もしも,離婚の際に,父母の間で「養育費を支払わない。受け取らない。」といっ

た約束をしていても,このような父母の約束によって,子どもが養育費の支払を受

ける権利を失うものではありませんので,事情に応じて,あらためて養育費を取り決めることができます。

著者意見:離婚後のもめ事に、養育費の支払いが質問サイトに載ってきます。子供への

責任を考えれば分かる様に、絶対に養育費は支払うべきです。

ただ。日本の裁判所は親権者として母親を指定することが多いのですが、子供の将来を

見据えると、情ではなく経済的な判断を重視する方が良いのではないかと思います。

(注.筆者は母親に引き取られています)

 

Q. 離婚したときに慰謝料や財産分与を支払ったので,養育費は支払わなくていいのでは?

A. 養育費は,慰謝料や財産分与とは違いますので,別に支払わなければなりません。

Q. 親権者ではない親は,養育費を支払わなくていいの?

A. 親権者ではない親や子どもと同居していない親でも,支払う義務があることに変わりはありません

裁判所HP

http://www.courts.go.jp/saiban/wadai/1706_2/

養育費・婚姻費用算定表が下記に掲載されています。これを参考にされてはいかがでしょう。

http://www.courts.go.jp/tokyo-f/vcms_lf/santeihyo.pdf

 

■離婚時の財産分与の税金は

国税庁ホームページに記載されています。

●国税庁タックスアンサー4144 離婚して財産をもらったとき[平成26年4月1日現在法令等]

離婚により相手方から財産をもらった場合、通常、贈与税がかかることはありません。

これは、相手方から贈与を受けたものではなく、夫婦の財産関係の清算や離婚後の生活保障のための財産分与請求権に基づき給付を受けたものと考えられるからです。

 

ただし、次のいずれかに当てはまる場合には贈与税がかかります。

1 分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事

情を考慮してもなお多過ぎる場合この場合は、その多過ぎる部分に贈与税がかかるこ

とになります。

2 離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合

この場合は、離婚によってもらった財産すべてに贈与税がかかります。

なお、上記のような場合で土地や家屋などを分与したときには、分与した人が分与した

財産をその時の時価で譲渡したこととなり、譲渡所得の課税対象となります。

 

著者意見

ところで、筆者は家事に勤しむ女性(専業主婦)はもっと評価されて然るべきと考えています。女性の一部(メディアに出現する)には専業主婦を蔑視する言動がありますが、全くの間違いです。外で働くことだけが仕事ではなく家で働くことも重要で大変な仕事です。

 

夫婦がワンセットの経済主体と考えた際に、最も効率的な活動として、夫が外で稼ぎ、妻が家事を行うこと(家事は重要でスキルが必要な仕事)も判断の一つです。

夫が家事を妻が外で稼ぐことが効率的な夫婦もいます。前提として、家事をする側の評価を正しく認識すべきです。

 

家庭を守るのは、子育て、家事全般、それこそ食事を作るのも高いスキルが必要です。結婚後の収入は外で稼いでいる者のものではありません。家事をする者が居るおかげで、収入を得ることが可能です。従って、夫婦の収入の半分は妻のもので、夫の分も半分と考えています。

 

相続税でも、妻が法定相続分を遺産として受ける際には、課税が猶予されています≒非課税。

離婚時も結婚後の資産の半分は妻のものとして考えられています。

このように妻と夫は2分の1ずつで、合わせて1つです。女性と男性の得意部分を合わせてワンセットとして、ファイナンシャル・プランの作成をお勧めしています。

 

■結婚前に契約が必要??

多くのメディアで、米国では結婚の際に事前に契約書を締結していると紹介されることがあります。実際に日本で必要になるのか疑問ですがどの様な形態があるのかを紹介します。

 

結婚契約書・婚前契約書には4種類の形式があります。

1.簡単に作れる《覚書》

いつでも作成できる契約書で私文書扱いです、決め事を書き捺印するだけ出来ます。

離婚の危機の際に確認することで、お互いが話をする機会になります。

口頭では「言った・言わない」の水掛け論になる可能性もありますので、覚書として作成

するのも宜しいかと思います。

2.法律にのっとった《契約書》

  ある程度の体裁に則り夫婦間作成する契約書で私文書扱いのもの。

 

3公証人により作成する公正証書(公文書)

公証役場に行き、公証人に作成してもらう『公正証書』=「公文書」にあたります。

手続も若干煩雑で、公証人手数料等がかかります。

但し、公正証書で作成しておくと、契約違反があれば、金銭債務のみ強制執行を

することが可能な場合もあります。

 

4.結婚前に締結する《夫婦財産契約》

民法755条に規定されている「夫婦財産契約書」です。

この契約は、財産についてのみしか取り決めができません。かつ結婚前しか作成

できません。

  • 契約書を法務局に登記することで、「公文書」となります。登記には費用が別途かかります。届出後は、原則として内容は変更できません。

 

文責

FP学会会員

独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー

オフィス マイ エフ・ピー 代表 吉野 充巨場合があります

 

【保有資格】

ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP®

プライマリー プライベート バンカー:日本証券アナリスト協会認定

宅地建物取引主任者 (東京)第188140号

ロングステイ財団登録ロングステイアドバイザー&登録講師

 

独立系顧問料制アドバイザーとは

http://www.officemyfp.com/komonryouseiadviser.html

 

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