- 吉野 充巨
- オフィスマイエフ・ピー 代表
- 東京都
- ファイナンシャルプランナー
対象:投資相談
- 大山 充
- (シニア・エグゼクティブ・アドバイザー)
- 大山 充
- (シニア・エグゼクティブ・アドバイザー)
4月14日のコラムで、資産運用を行う際にベンチマークを決めておくことをお勧めしました。
ベンチマークを決定したあとにどのように管理しているかの例を紹介します。
下図は、2014年4月14日から本年4月15日のS&P500(黄色)と、米国市場で買付したiShares MSCI Indonesia Market Index Fund(ブルー)、iShares MSCI Singapore ETFの騰落推移です。両ETFはS&P500に大きく負けています。
S&P500は年間の収益率が15%に達していますが、両ETFは上昇がゼロ又はマイナスです。従って今後も保有を継続するのかの検討が必要になります。
但し、上記の不成績は、米国NYSE・ARCA市場の値段の推移です。ということは、両国の通貨に対して、ドル高に為替がふれた場合には、インドネシアもシンガポールもドル表示での株価は下がることに為ります。現地の株価の動きと為替の動きの複合で評価がされています。
そこで、シンガポールの株価指数ST指数(黄色)とS&P500(ブルー) 、iShares MSCI シンガポールETFを比較したのが下図です。
確かにST指数の騰落はSP500の騰落に負けているのですが、指数としては上昇を続けているのが分かります。もし、ST指数に連動するETFをシンガポール市場で購入すればこの黄色に近い成績が残せます。ただし、シンガポールドルと日本円の為替レートが反省されていませんので。日本円に換算した形で評価をすることに為ります。ちなみに2014年4月のシンガポールドル・日本円レートは81.21円で本日(4月15日)は88.11円ですから円安です。従って、日本円としての上昇はシンガポールドルよりも約8.5%ほど上振れします。
(為替は三菱UFJリサーチ&コンサルティングがHPで公開している為替相場の仲値を使用)。
このように何をベンチマークとして使用するかは株価の動きを追うのに重要な要素です。
(ST指数採用銘柄とMSCIシンガポール採用の銘柄は同一ではありません)
同じように下図は、S&P500(ブルー)、ドイツ・ランクフルトDAX(黄色)とiShares MSCI Germany ETF(紫色)を比較すると、DAXは史上最高を更新していますので、S&Pを超える動きとなっていますが、米ドルに対してユーロ安の現況ですので、NYSEの取引ではドイツ株は大きく差がついています。
(DAX指数採用銘柄とMSCIgermany採用の銘柄は同一ではありません)
指数だけでなく、個別株にも此の比較は適用できます。というよりもこちらの比較は、私にとって個別株の保有継続・売却の判断に重要な位置づけになっています。
下図はフランクフルトDAX(黄色)、S&P500(ブルー)にダイムラーベンツの株価(紫色)の年間騰落率を比較したものです。ダイムラーはドイツ市場で買い付けていますから、ユーロでの価格推移になります。2015年1月から株価は急伸していますので、両指数を上回る上昇率となっています。
同じくオーストラリアのオーストラリア・ニュージーランド銀行(アンツ)の株価推移(紫色)を、S&P500(ブルー)とシドニーASX(黄色)と比べたものです。
このように、株価推移を現地の指数と比べることで、保有する銘柄の価値判断の一助になるのではと考えています。
私は、ベンチマークとして使用するには、各国の市場に対応した指数を使用することをお勧めします。
ただし、日本の証券会社を通じた取引では、その市場で購入するのが困難な銘柄もありますので、ご購入を検討されている銘柄によっては市場にアプローチできる証券会社の採用等、現況に合わせた対応が必要になります。
上記資料はマイクロソフトMoney Plus Sunset Deluxeで作成したものです。
無償版のためサポートは受けられず、ソフト等の更新もありませんので、信頼性は不確かです。入力は全て手入力です。それでも私は使用しています。年間数十万円を支払えばあるのかもしれませんが、市販のものにはこれに勝るものはありません。
読者ご自身で使ってみようとお考えの方は、下記よりダウンロードください。
http://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=20738
FP学会会員
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー
オフィス マイ エフ・ピー 代表 吉野 充巨
FPプラス投資助言で人生設計から資産形成まで一貫してサポート
保険や投資信託を販売しないファイナンシャル・プランニングの専門家。
あなたのセカンドライフ・プランに適した期待リターンとリスク許容度で資産配分とポートフォリオ構築を口座開設から銘柄選定までサポートします。
【保有資格】
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP®
日本証券アナリスト協会認定 プライマリー プライベート・バンカー
『このコラムは、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
投資による損益はすべて読者・ご相談者ご自身に帰属いたします。投資にあたりましては正規の目論見書、説明書等をご覧いただいたうえで、読者・相談者ご自身での最終的なご判断をお願いいたします。
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