現代会計の方向性と税法会計 - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

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現代会計の方向性と税法会計

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雑感 会計と税法の乖離
税法会計という言い方はあまりしないかもしれません。
一般には税務会計という言い方なのでしょうが、
税務会計と税法会計は明確に異なる概念なので、あえてこの言葉を使います。

税務会計は現代会計が向いている方向、つまり、
投資情報としての有用性を含む概念であり、
あくまで会計学の一領域としての会計という意味ですが、
税法会計という言葉を使う意味は、
税法が求める会計、という意味、
もっとはっきり言えば、いわゆる税法基準に基づいた会計
という意味で使います。

後で、書評として紹介させて頂く予定の
石川純治教授の「変貌する現代会計」(日本評論社2008)が、
「例えば、「企業会計原則の設定について」では、その設定の当初から
「証券投資の民主化」だけでなく、例えば「課税の公正化」などが
あげられており、そこにより広く国民経済に資する観点がみられます。
逆にみれば、今日の企業会計はそこでの「証券投資の民主化」に
いわば特化したものといえるでしょう。」(162ページ)
と指摘されている通り、従来までの企業会計は様々な利害関係者の
利害を調整する役割を会計に求めていたのに対して、
現代会計は、投資情報としての有用性に特化しているのである。

会計情報が、投資情報として特化するのであれば、
憲法14条に基づいた課税の公平を旨とする税法が、
投資情報として特化したために、客観性と反証可能性を失いかけている
現代会計から離脱しなければならないことは当然のことである。

もし現代会計が、法人税法74条1項に規定する確定決算主義の
趣旨を理解し、それを内包したものであるというのであれば、
平成20年度税制改正における減価償却制度の改正に対して
会計側が反論しないのか。

平成20年4月1日から始まる事業年度において、
機械装置の法定耐用年数が既存資産を含めて改訂しなければならず、
個別資産ごとの耐用年数をとる場合には、確認制度を用いて
税務署長の承認を得なければならないにもかかわらず、
公認会計士監査を受けるべき大企業の4半期報告書に
その旨を記載している会社がどれだけあるのか。
脱法行為を公認会計士が容認しているとすれば、
公認会計士が税法どころか税務会計分野でさえ
専門家であることを放棄したことに他ならないのではないか。

税法の逆基準性が会計理論を歪めている問題は、
今に始まったことではなく、問題の根は深いものであるが、
会計理論家が法律家から軽視されている現状を打破できないのも、
強行法である法律を無視しているからに他ならない。
かつて、田中耕太郎博士から、疑問が呈されていたことに対して、
会計学者は真摯に反論して頂きたいものです。
私の知る限り、昭和15年の田中先生の問題提起から、
その方なりの解答にチャレンジされた方は、
ほんの僅かしかいないように思います。
この点は企業会計法の研究者としての私のライフワークでもありますが。

会計理論家(公認会計士協会を含みたいので、あえて会計学者と呼びません)
がアングロサクソン系の会計理論を研究されるのは
国際的な潮流からすれば当然なのであろうが、
アメリカやイギリスは慣例法主義の国だから、
民間が策定した会計基準も当然に法的拘束力を持ち始める。

しかし、わが国は厳然たる成文法主義の国である。
その国で法律を無視することは、
法治国家であることを放棄したという意味に他ならない。
会計理論家は断じてアナーキニストであってはならない。
会計理論家はアメリカと同様の体制を法律側に要求しているとしか
思えないのであるが、いかがなものであろうか。

法人税法74条1項が撤廃され、税法会計が企業会計とは別系統の
2本の柱になることは、手書きの元帳の時代であればいざ知らず、
電子帳簿保存法が施行され、電子申告の進展も進む現代では
事務の手間が膨大になるとはどうしても思えない。
税法会計を1つの柱にせずとも、
別表調整だけでもいけるのではないだろうか。

現代会計が情報有用性に特化し続けるのであれば、
税法は課税の公平を守るため、確定決算主義から離脱すべきなのである。

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