企業会計と税法の乖離ー棚卸資産の場合 - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

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企業会計と税法の乖離ー棚卸資産の場合

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雑感 会計と税法の乖離
会計基準が国際的イコールフッティングを志向して大きく変わり始めている現在、
財務諸表の比較可能性の向上を旨とする会計基準と
納税者間の課税の公平と法の持つ予測可能性を重視する税法とは
大きく乖離して当然であるが、実務家はその調整に苦労することになるのである。

中小会社会計基準について、私が非常に批判的なのは、
会計と税法の乖離は当然のものとして考えているからであって、
そもそも目的の違う制度を同じ土俵で評価することに意味がないと考えるからである。
確定決算主義に基づく税法側の損金経理要件が会計実務を歪めてきた事実を考えれば、
会計が目指すべき方向性は、会計の税法からの離脱であると信じるところである。
つまり、確定決算主義からの離脱なしに、
会計基準を国際的に調和化したとしても、
強行法である税法の強制規定が会計実務を歪め続けるため、
税コストの最適化の標榜は、公認会計士監査に耐えるものになろうはずがないのである。

棚卸資産の評価について、実務家はどこまで理解して処理されているのだろうか?
棚卸資産の評価については、
平成18年7月5日公表、企業会計基準第9号により、会計基準は大きく変更され、
平成20年4月1日以後開始する事業年度から適用されている。
つまり、通常の販売目的で保有する棚卸資産は低価法で評価され、
取得原価と正味売却価額との差額を、当期の費用とすることとなったのである。

従来は棚卸資産の評価方法は原価法を原則としており、税法とも整合性がとれていた。
しかし、税法は企業会計が求める強制評価減についても損金算入を認めているが、
災害や著しい陳腐化等の場合に限定し、
「棚卸資産の時価が単に物価変動、過剰生産、建値の変更等の事情によって
低下しただけでは、令68条1項1号に掲げる事実に該当しないことに留意する」
(法人税基本通達9-1-6)
ことになっているから、新会計基準とは乖離している。

ところが、新会計基準に準拠した処理をしなければ、
公認会計士監査において適正意見を下してもらう可能性はない。
したがって、棚卸資産の評価を低価法で行った場合、
損金不算入になる可能性が高く、必然的に利益に対する税コストは増大する。
税効果会計によってコストとして反映された税コストを株主はどう評価するのか楽しみである。

利益に対して高すぎる税コストを払わせられることによって
物言う機関投資家から経営責任を問われる取締役が出ないことを祈るばかりである。

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