軽油引取税のみなす課税(その1)(補佐人事例) - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

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軽油引取税のみなす課税(その1)(補佐人事例)

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発表 実務に役立つ判例紹介
私が高裁から税理士補佐人として関わった軽油引取税の事例を紹介します。

東京地裁平成18年12月14日判決(TAINSコードZ999-8201、納税者敗訴)
東京高裁平成20年7月10日判決(TAINSコードZ999-8202、全部取消納税者逆転勝訴)

不服申し立て及び地裁までは弁護士のみで、
高裁から私が補佐人として入り、
また、師匠には弁護士登録前に鑑定意見書を書いて頂き、
弁護士登録後は弁護人として加わって頂いた事例です。
ちなみに師匠は徴収畑出身の元税務大学校副校長です。

本件は、ほとんど事実認定の争いで、
焦点となったのは、原告が軽油の製造又は販売を行ったかどうかである。
つまり、軽油引取税の納税義務者は、(1)特約業者・元売業者以外の者が、
(2)軽油の製造をして、当該製造に係る軽油を他の者に譲渡するという要件を
充足した場合に、その者に軽油引取税が課されるというものである。

事実認定が地裁と高裁とで異なりますので、

まず地裁での判断を紹介します。

原告Xは事業が立ち行かなくなったA社の代表取締役で、
本件軽油取引当時は、A社を休眠会社とし、
同種の事業を取り扱うB社の代表取締役であった。
平成13年7月ごろ、知人紹介で知り合った丁らから、
本件軽油取引の話を持ちかけられ、
A社の名義を貸して、本件軽油取引を行うことを承諾した。
原告は、本件取引において、A社の名義を貸し、
タンクローリーの手配をし、軽油の製造を請け負うE社との連絡を担当し、
軽油の原料の運搬と軽油の保管を依頼するため、
原告と従来から取引のあったD社を丁らに紹介し、
A社の代表者として、軽油の販売先であるI社に挨拶に行った。

丁らに名義貸したA社の銀行口座を、本件取引における決済口座としているが、
原告が丁らの求めに応じて、自己の銀行口座等も用いて、振込みを行う等、
原告は、本件銀行口座を現に管理し、
あるいは支配する立場にいたというべきである。

また、本件取引における決済口座について、
原告が代表取締役であるA社の名義から、
途中からF商会名義に変わっているが、
東京地裁はF商会名義の口座の管理支配権を原告が持っていたと認定している。

このような事実認定に基づいて、東京地裁は、
「原告は、本件軽油取引に関して、(1)A社の名義を貸し、同社の名義を
決済口座として利用することを許諾していること、(2)タンクローリーの手配、
(3)E社との連絡、(4)その他事務連絡を行い、(5)軽油の原料の運搬と
製造軽油の保管を依頼するために、D社を丁らに紹介する等の役割を
果たしていることを認めている。
 また、それに加えて、その時期及び訪問目的については争いがあるものの、
原告は、軽油販売先であるI社にA社の代表者として訪問していることや、
軽油製造を開始するに当たり、乙(E社代表)との間で、軽油製造の原料を
原告が調達してE社のタンクに運び込むことや、委託手数料等の条件について
話し合っていること、D社は、原告が代表取締役を務めるB社に対して
運送料の支払いを請求していることからすると、本件軽油取引に関わった
関係者は、本件軽油取引における原告の立場を単なる連絡役としてではなく、
主体的に取引を行う立場にあると考えていたものと解するのが相当である。」

「原告は、本件軽油取引に関し、軽油の製造の関係では、製造者である
E社(乙)との協議や連絡、原料の調達、保管、運搬に関する手配、手数料の
支払等に関して重要な役割を担い、また、軽油の販売に関しても、販売先への
挨拶を行っているほか、本件軽油取引全般についてA社の名義を利用する
ことを承諾し、本件決済口座や原告名義の口座を利用して、販売代金の徴収、
各種経費の支払等に関しても、主体的な役割を果たしているのであるから、
これらを総合考慮すれば、本件軽油取引全般にわたって主体的な関与をした
ものと評価すべきであるし、これらの関与の対価として多額の利得を得た
ものというべきである。そうすると、このような原告の行為を単なる手足
としての行為にすぎないということは到底できないのであって、むしろ、
本件軽油取引に対し、少なくとも共同経営者として主体的に関与したものと
評価するほかはない。」

と判示して、原告の主張を棄却した。

私は補佐人として本件に関わることになった際、
まず、本件訴訟において、原告側が主張立証してきたことが、
何であったのかを確認した。
地裁における原告の主張の骨子は以下の通りのものであった。

(1)原告は、A社名義を丁・辛らに名義貸しを行ったのみであって、
  原告が本件取引において行った行為は丁・辛らの指示によるものであるから、
  原告は、本件取引においては連絡役に過ぎない。
(2)原告は、本件取引において、軽油を製造していないし、
  販売もしていないのであるから、軽油引取税の納税義務者に当たらない。

訴訟資料を読んだ限り、原告の主張・立証に無理がなく、
それでも地裁で負けていること、
それも、民事3部(鶴岡裁判長)で負けたことを考えると、
高裁にあげても、勝負にならない可能性を示唆した上で、
本件の税理士補佐人を引き受けることになりました。

まともにやっては勝負にならないだろうという判断から、
地裁ではお互いに主張していなかった点を突くことで合意をし、
高裁では、連帯納税義務、第二次納税義務を争点として持ち出し、
また、地裁でも主張した調査の不備、課税庁側の主張を裏付ける
証拠資料の開示請求を軸に、弁護士を中心に戦略の練り直しになりました。

高裁については、次回に。

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