若年社員の早期離職を防ぐために、上司が気を付けておきたいことは?(第15回) - 対人力・コミュニケーションスキル - 専門家プロファイル

田原 洋樹
株式会社オフィスたはら 代表取締役 人材育成コンサルタント
東京都
人材育成コンサルタント

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閲覧数順 2024年04月26日更新

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若年社員の早期離職を防ぐために、上司が気を付けておきたいことは?(第15回)

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5月、新入社員にとっては、社会人としてのスタート月である4月が終わり、いよいよ本格的な業務に携わる時期です。
今回は、この時期の新入社員メンバーへの、上司の接し方についての留意点をまとめました。



■気の緩みを「放置」する

ハードな就活を経て、緊張感のある4月が終わり、ゴールデンウイークを過ごした新入社員。彼らにとって、連休明けの5月の第1週は、大抵「気の緩み」が出るものではないでしょうか。

多くの職場では、この「気の緩み」を回避することに躍起になりますが、これはむしろ逆効果と言えるでしょう。
高圧的に締め付けを行っても、「5月病」に代表されるように、メンバーのモチベーションはさらに低下することになります。

この時期の接し方としては、むしろ、この気の緩みを「放置」することです。
新入社員として1か月を経過し、業務や人間関係を含めた職場環境に慣れてきた「健全な成長過程」と捉える、「心のゆとり」が、彼らの上司には求められます。


■対等に接する

気の緩みを「放置」する一方で、そういったメンバーにどのように関わっていくか?

ひとつは、「新入社員だから」という言葉をNGとし、他の先輩社員と同様、対等に接することが必要です。
「あれをしろ」「これはダメ」という一方的なティーチング方式の指導を徐々に、相手の意見や考えを尊重しつつ、自発的に行動を促すような、いわゆるコーチング方式で接していくことが効果的でしょう。

新入社員は、上司から1人のメンバーとして対等に接してくれていることを実感し、仕事への「働きがい」を感じ始めます。


■夏までの目標を立てさせる

そして、数か月先の目標として、夏ごろ(8月の終わり)を目途に、何らかの目標を立てさせます。
これは定量的なものでも定性的なものでも構いません。大事なことは、本人に立てさせること、そしてその目標を一緒に追いかけることです。

半年先、1年先という長いスパンではなく、ほんの数か月先の自分をイメージさせることで「のんびりしている暇はないんだ」と暗に本人の自覚を引き出すための仕掛けをします。


■今日1日を満点で過ごす!

新入社員が3年で3割離職をする時代と言われて久しいですが、「離職者を絶対に出すな!」と眉間にしわを寄せて、対策を練るものでもありません。

上司がその日1日を、活き活きと楽しそうにマネジメント業務に邁進している姿を見れば、おのずとチームにも活気が出てきます。職場で躍動する上司の背中をメンバーは見ています。そのために、上司自身がその日1日を満点(充実度のレベル)で過ごすことに尽きると思います。

さて、今日、あなたは何点で過ごしていますか?


2013年4月より、約1年間にわたり連載をして参りました本コラムも今回で最終回となります。
長い間、ご愛読ありがとうございました。