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志岐昭敏税理士のストックオプション事件の本を評する

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雑感 書評
ストックオプション事件において一時所得説で論陣を張った
志岐昭敏税理士が本を出しました。
アカサカ経理センターから2008年2月25日に発行された
「ストックオプション判決にみる課税事実の捏造と税法適用の偽装」です。
志岐先生の経営する会社が出版元ですから、
自費出版で出されたものと思います。

私とは解釈の異なる、むしろ一時所得説を批判する私とは
正反対の主張をされている書籍ですが、特に税理士補佐人を未経験の方には
是非とも読んで頂きたい書籍なので、紹介させて頂きます。
自費出版してでも、おかしな判決
(少なくとも志岐先生はそう考えていると思います)
を繰り返させまいとする志岐先生の熱き思いを感じて頂きたいですね。

志岐先生の論調は、非難を受けることを承知で書きますが、
暴言に近いほど激しい論調ですが、
先生がどんな思いで補佐人として
クライアントを守ろうとしてきたのかがよく分かります。
また、補佐人として、ここまで資料を集め、証拠を提出しても
勝てなかった無念がヒシヒシと伝わってきます。

志岐先生が主張する論理のすり替えは、
私も疑問として残る部分ではあります。

私は連結納税制度や企業再編税制が導入されている現在では、
直接の勤務関係がなくとも、
子会社への勤務がグループ全体への貢献に繋がるケースでは、
雇用類似の関係が類推される可能性があると考えていますから、
ストックオプションの付与時点は給与所得としての性質を有すると考えています。
しかし、平成8年当時には、議論の端緒をきったばかりでしたから、
当時から直接の雇用関係がない場合にも雇用類似関係が類推できるかどうか疑問です。

また、最高裁が出る前の平成16年5月に税法学551号に書き、
同年6月に日本税法学会大会(愛知大学)で発表しましたが、
給与所得として判断することの弊害はこれから多々出てくるでしょう。

国税当局は最高裁がストックオプション判決を
給与所得で判示したことで喜んでいるでしょうが、
寄付金や交際費はどうするのでしょうか?

雇用類似関係に基づく子会社役員への利益供与は、
最高裁が給与所得であると判断したのです。
ある研究会で国税庁OBでもある某教授も
寄付金関税との平仄を強調されておりました。

志岐先生は「捏造」や「偽装」とまで主張されておりますが、
そこまで言ってしまうのはどうかと思います。
裁判における事実認定の判断の違いであって、
また、先生が主張する(第5編第7章)所得区分については、
給与所得に該当するとすれば、明確な8区分に該当しない場合にしか
適用されない一時所得に該当する可能性がないことから
裁判所は判断を示さないだけであり、
民事裁判では自明のことではないでしょうか。

また、結果の妥当性を検証していないとの批判(第5編第16章)も、
法律解釈を争うのが裁判所の役割であり、
立法の不備や不当性を争うのであれば、
最高裁で憲法判断を争うことを最初から予定して
戦うべきではなかったのかと思います。

上記のような、言い過ぎや見解の相違はあるけれども、我々税理士が、
最悪のケースとして税務訴訟まで念頭において仕事をするためには、
是非にでも一読を薦めたい本である。

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