育児本に、ご褒美や物で釣ってはいけない、しっかり言い聞かせてと書いてあったけれど… - 幼児と子供のマナー - 専門家プロファイル

平川 裕貴
株式会社リリパット 代表取締役社長
兵庫県
マナー講師

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対象:子供のお稽古

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育児本に、ご褒美や物で釣ってはいけない、しっかり言い聞かせてと書いてあったけれど…

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「育児本には、しつけにご褒美や物でつってはいけない、しっかり言い聞かせなさいと書いてあったけれど、そうしようと思っても子どもはちっとも言うことを聞かないし、難しくてとてもそんな風にはできない。どうしたらいいんでしょう?」と相談を受けました。

 

私は、「ご褒美を与えたらいいですよ」と答えました。

「いいんですか!?」とそのお母さんは目を輝かせて言いました。

「ええ、大丈夫です」

 

ご褒美や物で釣るのはよくないという理由は、ご褒美をもらうことが目的になってしまうからだということらしいです。

(ごめんなさい、私はそういう育児本を読んでいないので、はっきりしたことはわかりませんが)

 

私がご褒美OKと言うのにはいつくか理由があります。

まず一つは、ご褒美によって、たとえ子どもがご褒美欲しさであっても、良い行いを(しつけとして)して、それが良い習慣として身に付けば、何も問題ないのではと思うこと。

教えたいことが身に付けば、それに対するご褒美は必要なくなります。

そもそも子どもも、いつもいつまでも、ご褒美をねだることはありませんし。

 

二つ目は、人間にはモチベーションが必要だということ。

ここで、物で釣るという言い方を、インセンティブと言い変えてみましょう。

どうですか? ビジネスの世界では頻繁に用いられているシステムですよね。

ご褒美が何もなく、ただ仕事だからやって当然と言うだけで頑張れる人がどれだけいるでしょうか?

大人でも、頑張るためには、昇給やボーナス、報奨金や景品や招待旅行などインセンティブが必要。

それなら子どもはなおさらではないでしょうか?

 

子どもにとって、日々の生活で覚えなければならないことは、大人の仕事と同じです。

山ほど覚えなければならないことやしなければならないことがあって、失敗や挫折の繰り返し。

思うように出来なくてイライラもしますし、ストレスも貯まるんです。

なのに、子どもには何もなしにただ覚えろ、頑張れというのは、なんだかなぁ。

ずい分不公平のような気がします。

 

そして三つ目は、私は子ども時代は、大人になって社会に出るための準備期間だと思っていること。

自分の人生は、社会に出てから(自立してから)始まると思っているのです。

ですから、社会のルールやシステムを教えておくことも大切だと思っています。

ご褒美を与えることは、今の社会のあり方からしても、とても自然なことだと思います。

大人にはよくて、子どもにはよくないという理由がわかりません。

もし、大人は物事の道理がわかっているから、と言うなら、大人こそご褒美など無しに頑張れるはずです。

当然やらなければならないことをやるだけのことですから。

道理のわからない子どもだからこそ、ご褒美が必要なのです。

 

たとえば動物の調教を考えてみましょう。

犬や猿や、イルカやシャチ、ゾウなど動物のショーを見ると驚きますよね。

「どうやってあんな芸を仕込んだのかしら?」と。

でも、よく観察すると、芸をした後には必ず、トレーナーがその動物の好きなえさを与えています。

頑張ったからご褒美をあげているわけです。

言葉の通じない動物にも芸を仕込むことができるのですから、ご褒美の力ってすごい!

 

ご褒美で良い習慣が身に付いて、ご褒美で身体を鍛えて元気になってくれて、ご褒美で一生懸命勉強してくれれば、ご褒美様様じゃないかしら?

子どもには上手にご褒美を使えばいいと、私は思います。

 

 

誤解のないように付け加えておきますが、これは、6歳位までの幼児を対象に、

あくまでも子どもにとって大切な、良い生活習慣を身に付けさせるというのが目的です。

子どもを大人の思い通りにコントロールするのが目的ではありません。

成長につれて、子どもはご褒美など必要としなくなりますし、親からご褒美でつられることを

逆に嫌がるようになるでしょう。

幼児期に伝えるべきことをしっかり伝え、教えるべきことをしっかり教え、

身に付けさせるべきことをしっかり身につけさせておくこと。

土台作りは親の仕事です。

あとは子ども達が自分で学んで成長していってくれるのを見守るだけ。

子どもが必要とする時に手を差し伸べてあげるだけでいいのです。

 

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