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檜垣 暁子
(カイロプラクティック理学士)

閲覧数順 2024年04月25日更新

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イップス(Yips)のメカニズム Part1

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以前、イップス(Yips)についてご紹介しました。

ゴルフで多く認知されている症状ですが、実際はゴルフ以外のスポーツ全般に起こり、精神的ストレスによりプレーがガタガタになってしまったり、まったくプレーできなくなる症状を言います。

なぜ、このような症状が起こるのか?
今回、そのメカニズムをご紹介しましょう。


イップスのメカニズムを説明する上でのキーワードは2つです。

「カオス的ゆらぎ」
「条件反射」


まず、「カオス的ゆらぎ」って聞いたことはありますか?

ゆらぎとは、一定ではない緩やかな変化している不安定な状態ですが、「カオス的ゆらぎ」とは、簡単に言えば規則的な繰り返しと不規則な部分とがほどよく調和している状態のことをいいます。

脈波や心臓の活動も、一定のリズムで脈を打っているようですが、分析してみると一定ではなく、「カオス的ゆらぎ」が存在します。

それ以外にも、呼吸運動も一定のようで一定ではないですし、眼球運動、身体運動、脳波、脳磁界、神経細胞や心筋細胞の活動、ホルモン分泌など、実に身体のあらゆる機能、さまざまな活動から「カオス的ゆらぎ」を示すことがわかっています。

この「カオス的ゆらぎ」は何を意味するのか?

北海道大学教育学部の山田憲政准教授らが行った重心変化の実験があります。
被験者を直立させ、両腕を歩いているように振った状態と静止させた状態の身体の重心変化を両足にかかる圧力の変化で測定を行いました。

その結果、両者に類似した「カオス的ゆらぎ」がわかりました。
そして、両腕を歩いているように振った状態のほうが直立の時の重心変化より、
カオス的ゆらぎが大きく、情報処理能力が高いというのが見えてきました。

もしこれが規則的で機械的なゆらぎだった場合、各部位の不規則な運動に対して適応ができず、ぎくしゃくした動きになってしまうだろうという事です。

また、「カオス的ゆらぎ」と情報処理能力に関して、北海道大学理学部数学科の津田一郎教授がコンピュータによる数値実験を行なっています。

その実験は、神経回路網とよく似たモデルを計算機の中に作り、学習能力を調べたものです。

その結果、カオスを生成した時としない時では、カオスが存在する時のほうが、より多くのパターンで学習でき、カオスの発生によって記憶に有効な領域が広がることを分かりました。

この意味や役割として、「カオス的ゆらぎ」は情報処理能力と深く関わっていることが分かります。


人間の筋肉の数は約400種類、骨は約200個あり、そのすべての筋肉や骨を脳・神経系は把握し調整して、姿勢や動作をスムーズに行なっています。

一見、当たり前のように行なっている動作も、外界環境の状況を把握し、身体内環境を把握して身体を調整すると言う、ものすごい情報量を脳が処理することで初めて可能になるわけです。
この情報収集と処理に欠かせないのが、「カオス的ゆらぎ」と言うわけです。

ゴルフのスイングや野球の投球動作、「カオス的ゆらぎ」がないと、ぎこちなくなってしまいます。


この何気なく行なっている動作ができなくなるのがイップスですが、心理状態が症状を作り出すきっかけになっています。
なぜなら「カオス的ゆらぎ」は、リラックスしている状態では、「カオス的ゆらぎ」は大きく、疲労した状態やストレスを受けている状態では「カオス的ゆらぎ」は小さくなります。

要するに、心理的要素に大きく影響を受けているのです。


こんな光景をよくみることがあると思います。

ゴルフのプレーオフ、このパターを決めれば優勝と言うところで、手が震えだし、簡単なパットができなくなったり・・・
野球で調子の良かったピッチャーが、一発打たれた後からガタガタに崩れて、途中降板になったり。

心理的要素って、常に大きくアスリートのプレーに影響しているわけです。


いま挙げた例は、そのときだけの話ですが、イップスの場合は、その崩れた状態のままになってしまうことです。

ここで二つ目のキーワード、「条件反射」が出てきます。

この話は次回、おたのしみに。


参考資料:田原 孝 :生体とカオス、日本経済新聞、1994.11.2〜1995.2.22(16回連載)


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山中英司


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