そんな競争から抜け出すためのビジネスモデルが「おもてなし経営」です。3つのポイントを上げていて、一つ目は社員の意欲や能力を最大限引き出す経営。大都市と違って、人口減少地域には地元で就職を希望する人材が多くいます。若者は地元志向が強いですから、意欲や能力のある人が採用しやすい環境です。
二つ目は、地域や社会との関わりを大切にする経営です。学校教育に協力したり、高齢者向けのプログラムを開発したり、サービス業ならではの柔軟な発想で、地元になくてはならない会社作りが可能です。また、住民の皆さん向けに専門分野の情報を提供することも、地域との関わりを強くします。
三つ目に、お客さんに対しては、高付加価値と差別化したサービスを提供すること。問題は、この競合店との間で決定的な差をつける、サービスを見つけることは至難の業です。独自のサービスと言うのは簡単ですが、実際にそのサービスを開発し、それをお客さんに説明して納得して貰うのは難しいです。
この3点を「おもてなし経営」として経産省が推奨しています。現代のわが国では、ビジネスの画期的なサービスや仕組みは、その大半が人口減少の続く地方都市から発信されています。お客さん数の少ないことを逆手にとって、新たなサービスを生む力は、経産省に言われる前に既に実行に移しているとも思われます。
【一言】
全国に3000軒以上はあると言われている農家民宿は、地方のおもてなしの典型的なビジネス。特別なイベントを作るのではなく、農作業や山菜採り、キノコ狩りなどの体験と、農村時間を過ごすことが人気で、リピーターが多く押しかけて人気です。都会型の画一的なおもてなしではなく、地域特有のおもてんなしが人気の秘訣のような気がします。
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