対企業向けビジネスでの起業で落とし穴に - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

中山おさひろ
東京都
起業コンサルタント

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対象:独立開業

尾崎 友俐
尾崎 友俐
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年04月18日更新

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対企業向けビジネスでの起業で落とし穴に

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 初めて起業する人の場合、多くの人は開業日に照準を合わせて準備をします。実は、この考え方に大きな落とし穴があると思っています。起業は、お客さんが来てくれて商品やサービスを買ってくれて始まりです。やっとスタート台に立ったとき、気持ちの上では一段落ついた気分では、士気が落ちてしまいます。

 現実問題として、こんな相談を寄せてくれた人がいました。具体的な話は書けませんが、地方でキャラクターグッズの製作・販売をする会社を設立したAさんです。開業前からの営業戦略が功を奏して、周辺の有力文具店との取引が数件始まりました。起業としては上々の滑り出しです。

 ただ、Aさんの頭の中では、開業までのことしか考えていなかったと言います。最大の落とし穴と思われるのは、開業までの資金に関してはよく考えていましたが、開業から入金までのタイムラグに関しては深く計算していなかったようです。通常、対企業向け取引では支払手形などで入金に時間がかかります。

 決して、Aさんは手形に関して知識がなかったわけではありません。ただ、これまでの従業員としての知識と、経営者の実感ではまるで違っていると言っていました。経営者は、事業の運転資金を考えないといけませんし、自分の生活費も考える必要があります。会社が稼いだ以外に収入はないのですから。

 結局、親族を駆け回って資金を借り、何とか資金のショートだけは逃れることができました。それでも、自分の考えの甘さに相当凹んだと言っています。まさか、自分が資金繰りで駈けずり回ることになるとは、まったく考えていなかったことが起こったからです。しかも、この失敗は、結構尾を引くことがあります。

 起業の時には、取引先からの入金遅れや未回収などということもあります。全ての取引先が初めての取引ですから、不慮の事態が起こらないほうがおかしいと言えます。中には、取引先から、「うちと取引する以上、競合会社との取引は止めてくださいね」と念を押されることさえあります。この取引実績を武器に、お客さんを増やそうとする作戦も修正することになります。

【一言】
 起業のときはトラブルがつきものですが、多分予想以上に問題が起こると思います。これらの問題は、神経質に考え込むだけではクリアできません。ある種、楽しむ気分で対応しないことには、長く続くビジネスに音を上げてしまいます。発想を変えますと、思いもしなかったトラブルが起こるから起業は面白いのであって、何もトラブルの起こらない起業は、アプリのないスマホのようなものです。

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