「目標による管理をしましょう。でも、それは決して『目標の管理』ではありません。」
一瞬、え?どう違うんだろうと思いましたが、よく考えてみるとなるほど~です。
これは、先日受講したコーチエイのCTP(コーチトレーニングプログラム)のアドバンスコースでのクラスコーチの言葉でした。多くの企業では、「目標を管理」しています。いわゆるMBO(Management by Objectives)~目標管理制度では、目標をいかに達成に向けて管理して行くかについて注力しますが、CTPでは、目標をいかに上手く利用して本人の能力と意欲を成長させ、それにより目標を達成させるか、にポイントが置かれていたのです。
なので、目標については上司が与える場合でも、その伝え方で部下の意欲は大きく変わってきます。
上司Y「Aさん!あなたの今回の目標は、前年売上比150%ね!よろしく!」
部下A「は・・・はい・・・」
上司T「Aさん!あなたには、前年売上の150%を目標にして欲しいの。それにより昇級のみならず、今のあなたの時期に大きな力がつくことになると私は信じているの。大きな負荷が掛かる目標だけれど、チャレンジして欲しい。どう?まずは、その為の方法を考えてみない?」
部下A「はい!是非チャレンジさせて下さい!」
上司によっては、会社の方針や目標をそのままダイレクトに部下に降ろしてくる人がいます。それによって、部下が意欲を上げることが出来ると思っているのでしょうか?目標を与えれば、部下がやる気を出すというのは大きな錯覚です。目標が、前記と同じレベルであっても同様です。出来るか出来ないか?ではなく、それを達成する事で、自分にどういう成長があるのか?が目標管理のポイントなのです。
なので、「目標による管理」とは、「個人の成長」と強くリンクしていることが重要になります。成長があることで、成果が出て、その結果目標は達成されます。
しかし、勘違いしている上司は、目標があること、目標を持たせることで、成果が自動的に獲得出来ると思い込んでいます。そして、目標を達成すると、能力が自動的についてくると思っているのです。
違います。目標を達成するために、自分が伸ばさねばならない「能力」が何なのか?を把握し、それに対してトレーニングを行った結果、能力が成長し、その力を使ったから成果が出るのです。
なので、大切なことは「現状の能力の把握」「目標達成のために伸ばす必要のある能力の把握」「その能力を伸ばすために必要なトレーニングの把握と実行」なのです。
能力が伸びることにより、その能力による行為で成果が出る。
考えてみれば当たり前なのに、勘違い上司は「目標が能力を押し上げて成果を出す」様に見えてしまっているようです。確かに、成果を上げている人を見ると、ビジネスの世界では、「トレーニング」自体が実践そのものであるケースが多いので、能力向上と成果獲得が同時進行しているように見えてしまいますからね。
いずれにせよ「能力向上」を「結果論」で語ってはいけません。そこには、意図して能力を上げる方法論が無いからです。そこに発生するのは、単なる「根性論」です。
上司は、部下の目標を、意欲がより向上するように伝え、能力向上の具体策にチャレンジさせることに注力していきましょう。本当は、あなたもそうされてきたんですからね~
「相手軸!相手軸!」
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