特許所有権を会社研究員から取り上げると - 独立開業全般 - 専門家プロファイル

中山おさひろ
東京都
起業コンサルタント

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閲覧数順 2016年12月06日更新

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特許所有権を会社研究員から取り上げると

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 政府は、会社研究員などが発明した「職務発明」の特許所有権を、現在の従業員側から会社に帰属を移行させる方針で検討を閣議決定しました。大手企業は、研究員から所有権を買い取るのに多額の費用が掛かるため、法律の改正を働きかけていました。

 会社研究員による特許権の問題というと、青色発光ダイオードを発明した元日亜化学工業の中村修二さんが思い浮かびます。中村さんの発明により、日亜化学はLED照明などで多額の利益を上げています。中村さんは、2001年に日亜化学に対し、発明の対価を求めて裁判を起こしました。

 裁判では、200億円を中村さんに支払うよう日亜化学に命じ、結局は8億4千万円で和解が成立です。この裁判以降、続々と研究者による会社への裁判が起こりました。発明がもたらした会社の利益に比べ、研究者への報償があまりに低いことが問題とされています。

 もし政府の方針通り発明の権利を会社に帰属させますと、その結果何が起こるのでしょうか。研究者は、大きな利益をもたらしそうな発明の実現が間近になると、会社を辞めて自分で所有権を手にすることを考えるはずです。発明は個々人の能力と努力ですから、10万円程度の社長賞ではやる気が沸きません。

 人間、それなりのインセンティブがないと燃えないのは確かです。それを端的に示す例は、発明所有権を会社に帰属させている国と、発明者個人に帰属させている国の違いです。会社側は、ロシア、英国、フランスなど。個人側は、ドイツ、韓国、米国、そして現在は日本です。

 イノベーションを生み出している国と、他国のイノベーションに頼っている国は一目瞭然です。日本が会社所有に変わると、中村さんと同じように米国や韓国に頭脳流出が起こると予想されます。この流れでは、起業に関しても、今後問題が起こる可能性があります。

 それは、会社で研究していたテーマを基礎にした従業員の起業を、禁止する法律が次の課題になりそうなことです。大企業の要望をほとんど丸呑みする政権ですから、従業員の首切りが自由にでき、従業員の特許所有権を取り上げ、最後は起業する権利にまで手を伸ばそうとするのは考えすぎでしょうか。

【一言】
 民主党政権から自民党政権に代わって、国民主権から大企業主権に政策運営が代わりました。安倍内閣は、大企業の業績をよくするため、円安政策を導入し、外国訪問をして営業外交を展開しています。参院選で大幅に議席を増やしたなら、この傾向はますます露骨になりそうです。起業を目指す人に対して、どちらが良いのか考えてしまいます。

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