不動産業者も見落とす、物件購入の落とし穴‐【位置指定道路の調査とリスクヘッジ 実践編②】
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不動産購入の際には、その物件の説明がされ購入へと進んでいきます。
しかし、その物件説明とは、不動産業者が決まった資料を考えも疑いもせずに
取得し、買主へ手交し、これが本地の謄本で、こちら道路部分の謄本で、
所有者は売主の業者になっています。
画像1が道路の図面です。ここが本地です。といった説明です。
物件自体に問題がなければそれでも良いでしょうが、もし問題や注意点に気付いて
いない場合は、そのような調査、物件説明では解決も理解も出来ていないまま契約
していることになります。
前回ご紹介した物件の注意点も、調査担当のレベルによっては、トラブル発生の
リスクをそのままにしてしまう注意点があります。
その注意点とは、本地が未接道となっている可能性があることです。
画像2の位置指定道路の図面をご覧ください。
以前787-9という土地は大きな一筆でした。
そこから現在の公図(※前回のコラム参照)の様に、
787-9、-86、-87、-88と分け、販売している分譲地です。
本地は、分筆後の路地状部分である787-9と787-43を合わせた
旗竿型の区画になります。
しかし、787-9の地番境(財産境/画像上の赤線)に注意して下さい。
道路位置指定図面で示す道路ライン(画像上の青線)に接していません。
787-88は道路の復元部分とのことでしたが、その謄本を確認してみますと、
787-9から分筆しています。
つまり787-88は、もともと道路ライン(青線)に接していない787-9(赤線)から
分かれただけで、これだけでは道路ラインに接したことにはなりません。
画像に有る「787-88(道路復元部分)の地積測量図」には、地番境(財産境)に
対して、建築基準法の道路ライン(青線)を、道路位置指定図に基づいて引いて
みましたが、道路ラインと本地との関係が未接道となっていることが分かると
思います。
このように、建築基準法の道路ラインと、売買対象地となる地番(財産)ラインとは、
別物です。
通常は道路ラインに接する様に地番(財産)境は立合ったり、境界確定していくもの
ですが、その両ラインの違いを認識できていないまま境界立合いなどを行っていた
所では、このような未接道の関係が生じていることがあります。
中途半端な調査では、未接道を見落とすことがありますが、
逆に、本当は未接道でない物件を未接道と考えてしまったりと、
間違った判断をしてしまうこともあります。
次回は、この物件が本当に未接道なのか、追加調査について解説します。
■不確定な契約条件の注意点-16:位置指定道路の調査とリスクヘッジ 実践編①
http://profile.ne.jp/w/c-105248/
■不確定な契約条件の注意点-17:位置指定道路の調査とリスクヘッジ 実践編②
http://profile.ne.jp/w/c-105459/
■不確定な契約条件の注意点-18:位置指定道路の調査とリスクヘッジ 実践編③
http://profile.ne.jp/w/c-105572/
■不確定な契約条件の注意点-19:位置指定道路の調査とリスクヘッジ 実践編④
http://profile.ne.jp/w/c-105862/
■道路調査の注意点【建築基準法の道路とは①】
http://profile.allabout.co.jp/w/c-80720/
■道路調査の注意点【建築基準法の道路とは②】
http://profile.allabout.co.jp/w/c-80721/
■位置指定道路の注意点①【位置指定道路とは】
http://profile.allabout.co.jp/w/c-80976/
■位置指定道路の注意点②【私道であることについて】
http://profile.allabout.co.jp/w/c-81004/
■位置指定道路の注意点③【未接道・建築不可:突き当たりの敷地について】
http://profile.allabout.co.jp/w/c-84148/
■位置指定道路の注意点④【未接道・建築不可:指定された道路位置のズレについて】
http://profile.allabout.co.jp/w/c-84803/
■位置指定道路の注意点⑤【未接道・建築不可:測量士の間違い】
http://profile.allabout.co.jp/w/c-84815/
■位置指定道路の注意点⑥【建築線による想定外とは】
このコラムの執筆専門家
- 藤森 哲也
- (不動産コンサルタント)
- 株式会社アドキャスト 代表取締役
将来必要なお金を把握せずに、家を買うのって怖くないですか?
売ってしまえば終わり・・・になりがちな不動産業界の現状に疑問を抱き、不動産購入には欠かせないお金の勉強をスタート。FP資格を取得。住宅購入に向けての資金計画、購入後の人生設計までトータルにサポートする「一生涯のパートナー」を目指しています。
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