- 山本 憲宏
- 山本公認会計士事務所 所長
- 滋賀県
- 公認会計士
対象:会計・経理
今回も「中小会計要領」の各論の解説の続きです。
今回は、「12.外貨建取引等」を取り上げます。
まずは、本文の抜き出しからです。
(1)外貨建取引(外国通貨建で受け払いされる取引)は、当該取引発生時の為替相場による円換算額で計上する。
(2)外貨建金銭債権債務については、取得時の為替相場又は決算時の為替相場による円換算額で計上する。
外貨建取引とは、決済が円以外の外国通貨で行われる取引をいいます。
例えば、ドル建で輸出を行った場合、ドル建の売上金額に、取引を行った時のドル為替相場を乗じて円換算し、売上高と売掛金を計上します。
この場合の、取引発生時のドル為替相場は、取引が発生した日の為替相場のほか、前月の平均為替相場等直近の一定期間の為替相場や、前月末日の為替相場等直近の一定の日の為替相場を利用することが考えられます。
また、上記のドル建の売上取引に関する売掛金が、期末時点でも残っている場合は、貸借対照表に記載する金額は、取引を行った時のドル為替相場による円換算額か、決算日の為替相場による円換算額かのいずれかで計上します。
なお、決算日の為替相場のほか、決算日の前後一定期間の平均為替相場を利用することも考えられます。
為替予約を行っている場合には、外貨建取引及び外貨建金銭債権債務について、決済時における確定の円換算額で計上することができます。
決算日の為替相場によった場合には、取引を行った時のドル為替相場による円換算額との間に差額が生じますが、これは為替差損益として損益処理します。
今回も「中小会計要領」の本文と解説を抜き出させていただきました。
中小企業においては、海外との取引があるとはいっても商社が中に入っている場合が多いと考えられます。この場合においては、円建での取引となるため、外貨建取引とはいえません。
また、為替に関しては昨今の状況をみてもわかるとおり、為替相場の変動が激しいため、会計処理としては取得時の為替レートによる計上の処理をしていたとしても管理面においては常にその時点での為替レートの評価を把握しておくべきだと思います。このコラムに類似したコラム
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