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対象:経営コンサルティング

社員からの自社株の買い取り請求について

法人・ビジネス 経営コンサルティング 2010/03/01 07:43

私は2代目経営者ですが、先代時代に社員の忠誠心を高めるため数人(今の幹部社員)に株を持たせました。(持株会ではありません。) 景気のいいときは配当もしていたのですが、不景気の昨今は配当もしていません。 そして先日その社員らが持ち株を今の時価で買い取ってほしいと言ってきました。 株数にして全株式の20%にあたります。 会社としては買取るつもりはない旨伝えましたが、彼らは「株式は他の財産同様譲渡が自由なはずなので、会社は買取る義務がある」と主張しています。
そこで質問ですが、このような場合会社は社員からの請求に応じ株を買い取らなければならないものなのでしょうか。 弊社は譲渡制限会社なので、基本買取りを拒否できると考えていますが、このような考え方は違うのでしょうか。
アドバイスよろしくお願いします。

lest2000さん ( 東京都 / 男性 / 55歳 )

回答:2件

後藤 義弘

後藤 義弘
社会保険労務士

3 good

ご質問ありがとうございます

2010/03/02 08:27 詳細リンク

*''■ 回 答''
''そもそも会社は社員の株式を買い取る義務はありません。 ただし、譲渡制限株式について、社員の方が (会社ではなく) 誰か 「第三者に売りたい」 と言った場合で、会社がこれを承認しない場合には、会社等((社長や会社が指定する人など定款に定めた方法による))が買取らなければなりません。''

''【解 説】''
**''会社に株式買取義務なし''
ご回答のとおり、法的には会社が社員の方からの請求に応じ自社株を買い取る義務はありません。 もちろん会社が 「合意」 すれば、一定の財源の範囲内で一定のプロセスを経て買い取ることは可能です。 しかし会社にその義務があるわけではありません。

社員の方がおっしゃられるとおり、株式も一財産である以上、確かに 「譲渡」 は原則自由((民法466条/会社法127条))です。 しかし会社法上、株主から会社への株式の移転行為は厳密には 「譲渡」 とは言いません。 「譲渡」 と言えるのは買取り先が 「会社」 ではなく 「第三者」 の場合です((税法上は 「譲渡」 となります。))。


**''株式買取り ≒ 配当''
非上場株式の場合、 「会社」 が株主から買い取る行為は、少し難しいお話になりますが、出資の払い戻し、すなわち 「配当」 するようなものです。 「配当」 は財源があって株主総会で決めてはじめて実現します。 今回の社員の方々からの請求も正にその行為に類似します。 従って会社は買取る必要はない、もし買取るなら 「配当」 を出すときと同じように、全株主に (買取りの) チャンスを与える((会社法160条))[=株主平等原則] など、所要のプロセスを経て行わなければなりません。

(もっとも、お話が 「株式会社」 ではなく、合同会社などの 「持分会社」 の場合話は違ってきますが、ご質問では 「株」 という言葉がいくつか出てきているので前者を前提に回答させていただいています。)

補足

**''株主には第三者への 「譲渡」 による投資回収の途が与えられている''
一方、回答のただし書き部分についてですが、上でお話したように、会社ではなく第三者に売る場合は正に 「譲渡」 にあたり、その場合は社員の方が言っていることが一部妥当してくるので、会社がその 「譲渡」 を承認しないのであれば、定款の規定に従い、会社もしくは会社が指定する誰かに買い取らせるなど、会社は社員の方の投資回収の実現に助力しなければならなくなります。

従いまして、少なくとも、お話では (第三者への譲渡ではなく) 会社に向かっての個別の買取り請求とうかがえるので、ご回答どおり買取りを拒否することができると考えられます。

''【補足・追記】''

もっとも、会社が何か株主にとって株式に不利な変更をしたり、一定の経営上のアクションをとったりする場合 [例 : 合併や会社分割などの組織再編行為や事業譲渡、株式に一定のカスタマイズを加えるなど] においては、別途株主に買取り請求権が認められているので、その場合は会社に買取り義務が生じます。 しかし今回は単に社員からの任意・個別の買取り請求によるものなので、これらには該当せず、よって買取り義務なしということになります。)


ご質問ありがとうございます。
今後ともAll About ProFileをよろしくお願いします。



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須藤 利究

須藤 利究
経営コンサルタント

1 good

法律論だけで解決は?

2010/03/09 12:08 詳細リンク

従業員さんの話は株式公開企業と話が一緒になっているのと、

会社との意思疎通、コミュニケーションが上手くいっているのでしょうか?

法律論でいけば、譲渡制限がついていれば、別の人へ譲渡、買取は断ることは

できるでしょうが、・・・

ただ法律だけでは解決しない問題ではないでしょうか?

御社の財務内容は分かりませんが、現在の1株当りの評価を

税理士さんに頼めば、すぐ算出してくれると思います。

この不況で財務内容が悪化すれば、株式の評価は額面より少なくなる

ことも想定されます。

また、ご質問の中に’’「(今の幹部社員)に株を持たせました。

(持株会ではありません。)」’’との記載がありましたが、

幹部社員がそういうことを言い出すことは、

会社として望まれないことではないでしょうか?

出来れば運命共同体としてこの不況を乗り切っていく原動力になるべき

方々ではないでしょうか?

株式譲渡だけではなく、会社に対する気持ちを忌憚のない話合いをすることが

会社を生かす一番の道ではないでしょうか?

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