犬の緑内障、そして失明

当院では、緑内障に対して、全身麻酔下のレーザー毛様体凝固術とい最新医療を実施していますが、昨年、柴犬で眼圧が異常値になったり、正常値に戻ったりを数日周期で繰り返したケースがありました。 それで、手術を躊躇している間に、失明してしまって、とても反省しています。緑内障の眼圧コントロールはとても、難しいと思います。

御質問のケースも残念な結果になってしまいましたが、失明後、眼球摘出するかどうかは、当院では、ワンちゃんが高眼圧のために痛みを訴えているとか、眼球が飛び出していて、瞼を閉じたときに完全に閉じきれない状態になってる場合は摘出する基準にしています。 それはいずれの場合も、近い将来、重度の角膜炎から全眼球炎になる確率が高いからです。

ご検討下さい。

実際のわんちゃんを診ていませんので、どこまで緑内障が進行しているかを推察してお話しさせて頂きます。
緑内障は、眼球の内圧が何らかの原因で上昇してしまっている状態です。緑内障は痛みを伴い、わんちゃんに多大なストレスをかけることになります。そこでその原因を取り除くよう内服薬、点眼薬を用いて治療を行ないます。眼球摘出以外にもレーザーを用いた手術等もありますが、症状の進行度合いによっては眼球摘出を行なう必要があります。今回のお話ですと失明にまで進行しているようなので、眼球摘出も検討すべきです。
眼球摘出は容貌も変わってしまいますので、忌避される飼主様も多いですが、そのままの状態でさらに症状が進行すると、痛みは激しくなりますし、眼球破裂などが起こった場合には、眼球の裏にある視神経から脳を侵すこともあり、死に至るケースもあります。そういった事を考えると眼球
摘出を行なった方がよいのではないかと思います。実際に眼の状態を診察している獣医師がそれを一番把握していると思いますので、しっかりとその獣医師と相談し、治療を行なって下さい。