老猫の排泄

老猫の関節炎につきましては、昨年のWVC(西部アメリカ獣医学会)でも発表がありまして、たくさんの老猫が多発性の関節炎を持っていることが判りました。しかし、ほとんどの場合、無症状で、他の病気でX線を撮った時に偶然見つかることが多く、犬だったら痛がって大変だと思うほどの変性、変形があるのにネコの場合は痛がらなくて不思議だという内容でした。しかし、当院でも一匹、四肢の関節がぎしぎしいって、激しい痛みを訴える老ネコちゃんがいます。幾つかの非ステロイド性鎮痛剤を処方して、一番合ったのを続けていますが、順調に生活できています。
また、猫の場合リュウマチの確定診断をすることができません(犬は可能)ので、リュウマチかどうかを動物病院が判断するのは難しいですね。

雄猫には尿道が閉塞してしまって出ないという病気も多いですが、おなかを押してあげて尿を出すことができるようですから、そちらもおそらく大丈夫だと推測されます。おなかを押してあげる前は、尿がたまっている状態かと思われます。このような大きい膀胱で排尿ができない場合、神経的な問題があることがあります。おなかを押して容易に排尿させることができるのであれば、腰椎または仙椎付近の神経に問題がある可能性もあります。神経の障害は、単純なレントゲン撮影では明らかな異常が認められないことがあります。排尿筋が弱っている(収縮力の低下)場合には、副交感神経に働いて膀胱の収縮を促す薬などもあります。お薬などはなにか試したのでしょうか。排尿筋の収縮低下であれば、お薬に反応して、排尿の改善が認められることもあります。一度かかりつけにご相談してみてください。