対象:心の病気・カウンセリング
主人が1年半ほど前に意識障害を起こしました。
意識が戻った後には、一時的に記憶が薄れていたり、幻覚を見たり、うつ状態になったりしていましたが2週間ほどで退院する事ができました。
救急で運ばれた病院でアルコールの禁断症状だと言われ、病院を紹介されましたが、本人が自力で断酒をするというので本人の意思に任せて現在に至ります。
この間、一度もアルコールを口にすることなく頑張っています。
アルコール依存は断酒するしか治療法がないと言われているのは承知していますが、もし再びお酒を少しでも口にすると必ず意識障害を起こしてしまう事になるのでしょうか?
これほど自分で節制出来るのなら、たまになら少しの飲酒もいいのか?と思う事もあるのでお尋ねします。
すぶりんぼうさん ( 福岡県 / 女性 / 42歳 )
回答:2件
池内 秀行
心理カウンセラー
1
今の状態で医師の診察を受けることをお勧めします
すぶりんぼう様
こんにちは。カウンセラーの池内秀行です。
ご主人の1年半の断酒。頑張っておられますね。
ご本人だけではなく、すぶりんぼうさんの現実的な協力や、目に見えない気づかいや思いやりなども、ご主人の断酒を支えていて、すぶりんぼうさんもご主人と一緒に頑張っているのではないでしょうか。
質問に対する私の回答ですが、今の状態でアルコール依存症を治療している病院で診察を受けて、今までの経緯を説明して、意識障害の可能性について相談することをお勧めします。
以下、すぶりんぼうさんがアルコール依存に関して知識をお持ちで、その部分と重複する内容がある場合はご容赦ください。
昔から、アルコール依存症は、アルコール中毒と言われて、意志が弱い人、精神的に弱い人、自己管理が出来ない人格の問題がある人などがなるものと思われてきた歴史があります。しかし、現実は、精神的に強い人や意志が強いといわれる人、自己管理が出来る人、人格者といわれる人達もアルコール依存症になります。
それは、アルコールが、脳の機能に作用する依存性のある「薬物」だからです。
アルコール依存症は、飲酒の習慣ができて、だんだん飲酒量が増えて行き<アルコール依存(嗜癖)>、それが継続的すると脳に作用して飲酒を自分でコントロールできなくなってしまう病気<アルコール依存症>だからです。
したがって、アルコール依存症になると、アルコール依存症という病気の症状として、本人がいくら頑張っても、自分の意志では飲酒をコントロールすることができなくなります。
すぶりんぼうさんのご主人のように断酒が続いていると「これほど自分で節制出来るのなら、たまになら少しの飲酒もいいのか?」と思うこともあると思いますが、救急で運ばれた病院でアルコールの禁断症状と言われているのであれば、アルコールの影響で、再び、意識障害が出る可能は否定できません。
したがって、専門医の診察を受けて確認することが現実的です。
補足
専門医のところに行くメリットは、アルコール依存症に関する教育プログラムが準備されていたり、すぶりんぼうさんたちにマッチした援助が何か教えてもらえたり、信頼のおける依存症からの回復に関する情報や知識が手に入りやすいことです。
アルコール依存症の治療と回復には、アルコール依存症が病気であることを知り、この病気のしくみや症状について理解して、治療、回復に必要な知識をご本人のみならずご家族も得ることが重要なポイントになります。
そして、ご本人の状態に応じて病院での治療やカウンセリングなど専門の援助、自助グループへの参加など様々な有効な社会的資源の活用が必要とされています。
さらに、知識を得たり、援助を受けることで、依存症になっていなくても、その予備軍である嗜癖の段階で手を打つことが出来るので、事態が深刻になる手前で予防することも可能になります。
どの病院がいいか情報がない場合は、住んでいる地域の精神保健福祉センター(すぶりんぼうさんの場合ご住所の記載は福岡なので、「福岡県精神保健福祉センター」)に問い合わせてみてください。また下記書籍もアルコール依存症の理解と病院等の情報を得るのに役立ちます。図書館にも置いていると思います。
アディクション《治療相談先・自助グループ》全ガイド
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4901030078/eaglebear-22
評価・お礼
すぶりんぼうさん
お礼が遅くなってしまって申し訳ありません。
ご丁寧な回答に感謝いたします。
私自身、かなり甘い考えであったと再認識しました。
今まで折角頑張って来たのだから・・と思う気持ちが甘いのですね。
飲みたいと主人が口にするような事があったら病院に行って相談する話をしようと思います。
ありがとうございました。
国府谷 明彦
厚生労働省認定 産業カウンセラー
2
頑張っているご主人の断酒を続ける方向で支えてあげて下さい
こんにちは。カウンセリングルーム聴心館 国府谷です。精神医学や脳神経科学をベースに認知行動療法を中心とするカウンセリングをしています(医療行為は致しません)。カウンセラーの立場からは,判断することは医師法での診断に該当するため,直接的な表現は致しませんのでご了解下さい。
アルコール依存症であるご主人を心配されるお気持ちがあるのと同時に「これほど頑張っているなら、たまには・・・」とご主人の思いを汲んでおられるずぶりんぼうさんのお気持ち,お察しします。
ご存じのように,アルコール依存症の際の離脱症状(禁断症状)は,ご本人の苦しみはもちろんのこと,周りの方にとってもとてもつらいものですよね。「補足の「アルコールの離脱症状」をご覧下さい。そして,その期間を経て,現在は一度もアルコールを口にせず頑張っているご主人のそばにいるずぶりんぼうさんが「たまには・・・」と思われるのも無理はありません。
アルコール依存症は1~2日でなる疾患ではなく,長い時間をかけてなる疾患です。そして実際には,何年もアルコールを口にせずにいても,ちょっとしたきっかけでふたたび苦しい状態に陥ってしまう例もあります。
アルコール依存症は心の病気の面もありますが,同時に「からだの病気」でもあるのです。依存となった「からだ」がアルコールを要求しているのです。ご主人はそんな身体の要求を精神の面ではねつけている状態なのですね。ちょっとくらい良いかなと言う気持ちは「悪魔のささやき」になってしまいます。
例えば,何かのからだの病気でお医者様に「アルコールは飲まないように」と言われるときには,アルコールを控えますよね。アルコール依存についても同じように考えて見て下さい。アルコールを飲ませることを考えて意識障碍を心配するよりも良いと思われます。
もともとアルコールを飲まない人が幸せに暮らせるように,アルコールを飲まないで幸せに暮らす・・・というのもひとつの方法なのではないかと思います。断酒を続けて頑張っているご主人を,精神的に支えてあげて下さい。そして,くじけそうになったときには地元の断酒会などに参加することをお勧めします。
ご主人が乗り越えられてきた辛い経験を,すぶりんぼうさんの協力を得て,幸せな生活を続けられることを願っています。
http://www.choushinkan.com
補足
【アルコールの離脱症状】
このうち2つ以上が飲酒を止めてから,数時間から数日中に現れる
1.自律神経系の過活動(多量の発汗や脈拍数増加)
2.手指の震えの増加
3.不眠
4.吐き気や嘔吐
5.一過性の幻覚や錯覚(視覚・聴覚・体感覚)
6.精神的な興奮
7.不安
8.全身けいれん発作
評価・お礼
すぶりんぼうさん
お礼が遅くなってしまい申し訳ありません。
主人の場合は、私が気付いた時には完全に意識不明の状態でした。
吐いた物が詰まってる様子で呼吸もかなりおかしくて
正直普通に生活出来るようになるかどうかも疑問に思っていたくらいです。
それなのに・・つい甘い考えが頭を過ってしまったようです。
今までの努力がまるで無駄になるところでした。
この件に関しては、また「飲みたい」と主人が口にした時に
しっかりと話し合いをしたいと思います。
ありがとうございました。
(現在のポイント:-pt)
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