知った顔をしないことが肝要です。

　――　その前提で回答しますが、ここで技術的な内容を説明することが意味のあることとは思えません。そこで一般的な常識を情報提供します。

　1)新規の化学薬品を開発する際は、化審法の規制を受ける。
　2)医薬は、薬事法で規制されている。
　3)化学薬品の中でも毒物や劇物は「毒劇及び劇物取締り法」の規制を受ける。
　4)医薬には、売薬と医家向け薬品の2つがある。
　5)医家向け薬品を病院に売り込むための特別に訓練された販売促進要員がいる。これをプロパーと呼ぶ。
　6)薬の開発には最低10年を要する。すなわち多大な開発費がかかる。この経費に耐えることのできる企業だけが今後生き残る。
　7) わが国最大の製薬会社である武田薬品でも世界最大の製薬会社ファイザーなどに比較してみると規模が小さい。規模が小さいということは開発力に劣る。だから今、わが国製薬業界は規模の拡大をもとめて再編中。
　8)因みに紹介すると、ジェネリック薬品(今話題の)とは先発企業の特許切れで後発企業が開発費のかからない分だけ安く生産する薬品のこと。


　――　この程度の常識をもって、あとは薬科大学や薬学部への挨拶に行かれた際に、質問して勉強させてもらう姿勢が得策です。決して「知った顔」をしないことが肝要です。
　私も三菱化学に在籍していたころ、医薬の開発部門(田辺三菱製薬に発展)と隣り合わせに座っていました。です。様子はよくしっています。しかしISOの仕事で製薬会社を訪問する際、決して知った顔はしません。

　――　一方、「IMS」という世界的規模の医薬情報会社があります。ここから情報をとれるような道を作っておくことが御得策の一つです。