対象:住宅設計・構造
島崎 義治
建築家
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これからの医療に対し施設がどのように応えられるか、が重要です
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地域の特性にもよりますが、2×4、軽量鉄骨、重量鉄骨、RCでも、耐震性、耐火性、耐用性は大きな違いはないように思います。
ただ、これからの医療がどうあるべきか、それに対し施設がどのように応えるか、を十分に考える必要があると思います。
仮に、明るさや快適さのためのボリュームを持ち、開放的な空間を目指すならば2×4は制約が多く可能性は少ないと思います。
また、軽量鉄骨の場合も補強が必要になると思いますし、将来の可変性を考慮した医療施設などを考慮すると対応は難しいと思われます。可能性がないわけではありませんが、、、。重量鉄骨やRCとなるように思います。もちろん、軽量鉄骨の方が安いですが、小さな住宅ではなく、専門性も持った公共的建築をつくるわけですので、金額だけで比較することは難しいように思います。
むしろ、木造の集成材などによる建築は可能性があると思います。木のやさしさや快適性は医療施設としての適性を持っているのではないでしょうか。大きなボリュームや開放性を確保することも可能です。耐火建築物にはなりませんが準耐火建築物(延焼から建物を守ることができます。)にすることは可能です。
木造も含めて、重量鉄骨造かRC造か、どれが適切かは、どのようなコンセプトで計画を進めていくかによって決定する必要があります。
どの製品や工法がいいというようなありきたりの営業では創造的ではありません。
まずはどのような医院にしたいか、どのような医療を行うのか、それに対してどのように施設が応えるのか、地域でのありかたはどうするのか、など根本的な考え方を議論する過程で工法や素材はおのずと決まっていくものです。
外壁のパネルは十分に検討する必要があります。外観を決める重要な要素であり、ハウスメーカーの言いなりの決められた変化のないもの、既製品や工業製品のようなものでは医療施設としてのイメージや信頼性も損なうことになりかねません。
地域の医療施設として重要な意味や役割を持っていると思います。医師としてのプロフェッション/職能意識に十分に応えるだけの建築であるべきですし、設計者にも施工者にもプロフェッションが要求されると思います。
安易に妥協されないことを期待いたします。ご参考になれば幸いです。
島崎義治/島崎義治建築設計事務所
2012グッドデザイン賞を受賞しました
http://architect-studio.com
評価・お礼
bonnou108 さん
2013/05/15 15:41ご指摘のとおり、自分自身でどういった診療内容を追及するのか、さらに具体的に考えをまとめると、医院の構造・外観については自ずとイメージが湧いてくると思いました。ご丁寧なアドバイス、ありがとうございました。
(現在のポイント:-pt)
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