素人だからできたこと!
今や世界にその名を知られる「ソニー」。
その前進は「東京通信工業」です。
松下電器、ホンダと並び、
ソニーも小さな会社からスタートしました。
この「東京通信工業」を創立したのは井深大氏です。
氏にこんな言葉があります。
「新しいものを創ろうというときは、
技術的には専門家でなくても、
何でも取り入れる。
怖いもの知らずの素人だったから
がむしゃらに進めた」*1
昭和25年、日本で初めて
テープレコーダーを発売したのがソニーです。
当時、米国が作ったばかりのテープレコーダーを
井深氏は、出入りしていたNHKで偶然目にします。
当時、GHQが国営放送であるNHKを管理していたので
世界最新鋭のテープレコーダーがあったのです。
日本にはまだ存在していない、それ。
「よし、これを作ろう!」
と井深氏は決断し開発に取りかかったものの
何をどうしてよいかわからない。
テープに磁気材料を塗布する時など
スプレーガンからたぬきの刷毛まで
いろいろと試しました。
井深氏は「たぬきの刷毛どうもいいらしい」と聞くと、
そうやすやすと手に入らない「たぬきの刷毛」を
どこかから探しまわって持ってきてしまうそうです。
そうして、完成したテープレコーダーですが
昭和25年の納品台数はわずか24台です。
ところが、昭和30年後期には、
5億4千万円の売上となりました。
日本を大国にした人たちは、
その道の「専門家」だったわけではないのですね。
「専門家」へなっていったのですね。
でも、よく考えれば誰もがそうかもしれません。
誰もが素人から始まっています。
その時「怖さ」から足を止めるのか、否か。
専門家になりすぎたから
「あれもできない、これもできない」
と知識が行動をさまたげることもあります。
素人ゆえの「怖さ知らず」が
「果敢な行動」へとつながっていくようです。
EARTHSHIP CONSULTING
*1『井深大語録』(ソニー・マガジンズ)