- 後藤 高浩
- 株式会社ジー・エス 代表取締役
- 東京都
- 塾講師
対象:子供の教育・受験
受験勉強の意味を捉え違えていると、様々な意味で貴重な時間を無駄にしてしまうことになります。ひと言で分かりやすく言うと、テスト(入試)の本番で、どうやって解くかを一から考えてはいけないということです。そんなことをしていたら、いくら時間があっても足りるわけがありません。
1つ高校受験の数学の問題で例を出して説明します。保護者の皆様も、一緒に考えてみてください。
「円周率の小数部分を書きなさい」
いかがでしょうか? 数学の先生や、きちんとした勉強してきている中3生は見た瞬間に答えが浮かんだはずです。なぜ、すぐに分かる人と、ああでもないこうでもないと考えてしまう人に分かれるのでしょうか? それは、知識として知っているかどうか、過去の経験として残っているかどうかで決まってしまうからです。
上の問題の正解は… 0.1415926535897932384626…ではありません。そんなことは暗記する必要はないのです。小学校で教わるような、「およそ3」という知識では話になりませんが、近似値が3.14で、無限非循環小数であるということを知っていればいいくらいです。
すいません、もったいぶりました。正解は、π-3です。どうですか? 円周率はπで表すことを知っていても、この答えに行きついた方はほとんどいなかったはずです。初めてこの問題を見た人は…
受験勉強において、「分かる」ということは、過去の記憶の枠組みにひっかけることなのです。数学の教師や優秀な受験生は、「小数部分」と見た瞬間に、「全体-整数部分」という知識を頭から引っぱり出して、あてはめているに過ぎません。それを周りから見ると、「あの人は頭がいい」となってしまうわけです。上の例は極端な例だと思われるかもしれませんが、極論を言えば、受験勉強なんて所詮そのレベルなのです。だからこそ、受験では勉強をした生徒が勝つし、努力が報われるのです。数学オリンピックで入賞するとか、大学で数学を研究するというレベルであれば、そんな勉強ではとても太刀打ちできないことは言うまでもありません。
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