第606号:未だに定着していない運用の重要性
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2012/07/02
第606号:未だに定着していない運用の重要性
価格競争で自社製品が売れず、危機に瀕している企業が
数えきれません。値引き競争は、製品の価格のみならず
サービスにも派生します。
かつてはメンテナンスなどのサービス費用は、製品価格に
上乗せされていましたが、今では少しでも製品価格を下げ
て見せる為、別枠で請求せざるを得ません。
お客様は当然、製品価格が全てのコストと勘違いをし、
メンテナンスを疎かにします。
製品を購入すれば、何かあった時にメーカーは当然保証を
してくれると、甘えが発生するのです。
かつては顧客サービスコストを吸収できる程、商品が売れて
いた訳ですから、この甘えも許されていましたが、今は
その余裕すら企業にはありません。
この状況は製品など形のあるものに限らず、様々なサービス
にまで影響がでています。
見積りは日常的に最も安い価格で落ち着きます。
しかしながら、その価格は運用サービスなどのメンテナンス
コストを除外した金額です。いざサービスを開始しようと
考えた時、運用コストがショートしてサービス停止という
最悪の事態も発生します。
競合先の見積りがお客様へ誠意あるものであれば良いのですが、
まずは成約することが重要で、成約してしまえば後は何とか
頑張るという企業も増えています。
この様な競合先の見積りと並べられては、勝ち目はありません。
お客様のサービスが頓挫しない事を祈りつつ身を引くだけです。
結果として、お客様の大切なサービスの品質も下がり
本来発揮する価値が失われていくのです。
この悪循環は自分自身が作り出したものです。
「安物買いの銭失い」という言葉があるにも関わらず
もう止めることができません。
最後に、価値を評価できない状況で人は何を見るかというと
目先の価格です。実はトータルコストではありません。
皆さまも価格を下げることしか頭にないのではありませんか。
これは国力を下げることに繋がります。
【7月2日って?】
1951年の今日、日本がユネスコに参加したそうです。
ユネスコという団体名は良く聞きますが、正式名と
聞かれると答えられますでしょうか。
正式には国際連合教育科学文化機関だそうです。
「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、
人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」
という理念は、今忘れかけているのではないでしょうか。
※暦の情報はWikipediaを参照しています。
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