不動産投資のグローバル環境 - マンション投資 - 専門家プロファイル

巻口 成憲
リズム株式会社 専務取締役
東京都
不動産投資アドバイザー

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対象:不動産投資・物件管理

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不動産投資のグローバル環境

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こんにちは、リヴァックスの巻口です。

今回はグローバルな不動産動向のお話しをさせていただきます。

不動産投資における投資資金の源泉は、過去数年の間、世界的な機関投資家や

中国の富裕層の購買パワーが大きな影響をおよぼしていました。

リーマンショック以降、世界の投資資金は証券債券やデリバティブといったものから

大きく比重を実物資産にシフトしている傾向があります。より安定志向、コア志向に

なり、不動産の世界でも私募ファンドやJ-REITといった証券不動産よりも、むしろ

オフィスビルや商業施設、住宅施設そのものを外資投資機関が購入する動きが

日本においては2008年以降顕著になってきています。

国交省のページの海外投資家動向調査を見ると昨年の調査では7割以上の海外

投資家が証券ではなく実物の不動産投資を行っていると答えていることからも、

その傾向は裏付けされています。

グローバル全体が不動産への保守的(ただし頑健な)傾向を強めてきた中で、

アジアでもっとも成長性が高かった不動産市場であった中国はそろそろ頭打ちの

傾向が強く見え始めております。

現在では北京周辺の不動産価格は80㎡で5000万円から8000万円と、NYの

マンハッタンと同じレベルにまで高騰しているため、中国や台湾などの投資家が

中国不動産市場への投資を控え始めている状況です。

一方でアジアの富裕層は現在底値のヨーロッパの不動産を買いあさっている状況

です。フランスやロンドンなどはセカンドハウスとして購入し、子女の教育のベース

として以前より根強い人気があった地域ですが、スペインやポルトガルなど、以前

不動産融資が厳しい状況の国において現金で購入している事例が目立つと聞いて

います。

こうした環境の変化は、不動産がすでに自国内だけで完結するクローズドな財では

なくなったということを意味しています。

世界的に見れば不動産はすでにグローバルに投資できる資産となっていますので、

中国やアメリカだけでなくヨーロッパ各国の投資家がクロスボーダーで不動産の

実物売買をおこなってきている状況になってきています。

現在のグローバルマーケットではリスクをとって将来キャピタルゲインをとりにいく

市場がヨーロッパ、安定的にインカムをねらっていくのが日本の特に東京という認識

のようです。

株式市場が世界的に低迷し、GDPもCPIも一向に上昇の期待がもてない環境の中

日本は1000兆円の借金を1000兆円の国内資産でささえていバランスを保っている

非常に危うい状況に置かれています。

他方で、日本の不動産資産は2100兆円と世界第二位の資産高を誇っています。

なおかつ、世界的に見ても安定している不動産マーケットと評され、グローバル投資

が積極的になっている状況を踏まえ、不動産資産の積極的活用が日本の経済成長

を下支えする政策的課題として注目されるようになってきているのです。

よきにつけあしきにつけ、日本の将来発展の打開策は不動産資産価値向上以外に

は考えられない環境になってきています。政策的にはいずれおいつくでしょうが、個人

投資家から見ても、そうした不動産市場の先読みを行うことが、投資を成功させてい

くために押さえておくべき視点といえるでしょう。

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