- 藤島 淑子
- 株式会社インディプロス 代表取締役/コンサルタント
- 経営コンサルタント
対象:経営コンサルティング
- 戸村 智憲
- (経営コンサルタント ジャーナリスト 講師)
このままでは成果主義で会社がつぶれる
いつものことながら、成果主義はかなり悪者です。
でも、“成果主義”って何?
おそらく、10人いたら10人が異なった定義をすると思います。
目標の達成度(=成果)で評価すること
と言う人もいれば、
チームではなく、個々人のパフォーマンスを評価すること
と言う人もいる。また、
成果に応じて個々人の処遇にメリハリをつけること
と考える人もいると思います。
でも、そもそも「成果主義」の本質は、こういう個々の仕組み論、
ツール論で語れるものではないのでは・・・?
と思います。
成果主義の本質は、「経営視点の人事制度」だということ。
会社の方向性を明確にし、そこから人材像を描き出す。
同時に、期待役割や期待成果を導き出し、個々人に求めていく。
そういう、ごくあたり前な、シンプルな発想の制度だと思うのです。
その考え方が間違っているとか、この思想自体が会社をつぶす、と
いえるようなものではないのです。
では何が問題なのかと言えば、この思想を制度に十分反映しきれて
いないとか、運用する側が十分理解できていないとか、そういう、
個別の課題が各社、各制度に存在しているのだと思います。
それは、「成果主義は...」とひと括りで語るべきものではなく、
あくまで、「うちの会社の人事制度は...」という、固有名詞で語る
べきものです。
ただ、「成果主義」という言葉は、あまりにも有名になってしまいました。
この言葉によって、各社に内在している個別の人材マネジメント課題が
見えづらくなってしまいました。
だから、もう、「成果主義」という抽象的なことばで人事制度や
人材マネジメントを語るのはやめてみてはどうでしょう?
「うちの会社の人事制度は」という、一人称で考えてみてはどうでしょう?
そうして初めて、本当の課題が見えてくると思います。