婚活時代を快適に生き抜くためのヒント

私は仕事上、年間50以上の婚活系のイベントやセミナーに参加したり、「恋愛の達人」と呼ばれる著者に会ってお話を聞いたりしています。そんななか、イベントなどに参加している女性たちからは、「普通に恋愛や結婚はしたいと思ってはいるけれど、相手を選ばないほどガツガツしているわけでもない。だから、それを『婚活』と呼ばれてしまうことには抵抗があります」……という声を数多く聞きました。

婚活発言で大失敗！ 私の苦い経験

実際、私も失敗をしたことがあります。

とある打ち合わせの席で、出版社に勤務する女性編集者にはじめて会ったときのことでした。「30代、独身、トレンドに敏感な編集者」と聞いただけで、当然、彼女は恋愛や結婚にも興味があるに違いないと思いこんでしまったのです。

いわゆる「恋バナ」は、お互いをよく知るためのコミュニケーションツールのひとつ。そんなふうに考えている私は、元来のお調子者気質も手伝って、「おっ、じゃあ婚活中ですね？」と、その女性編集者に話しかけたのですが、彼女は能面のような表情を浮かべたまま一切スルー。聞こえなかったのかしら、と思ってダメ押しで再度チャレンジするも完全無視！

そこまでされてようやく、その女性編集者は私と恋愛の話をしたがっていない、ということに気がつきました。 

「婚活中」のレッテルを貼られたくない女性たち

打ち合わせには旧知の男性編集者も同席していたので、後日、「そういえば、あのとき、なんであんなに彼女は不機嫌になったのかな？」とたずねてみました。すると彼は、「彼女、会社でもさんざん『なんで彼氏がいないの？』とか聞かれているようだから、かなり疲弊しているんだよ、きっと。しかも見た目が決して華やかじゃないし、いかにもモテそうってタイプじゃないじゃん。だとしたら、他人から婚活、婚活っていわれたら、『人の気も知らないで何さ』って思うんじゃないの？」と。

……なるほど。私にとっては「婚活」はワクワクするようなテーマの話だったのですが、人によっては、仮に婚活をしていても「ひとくくりに『婚活中』というレッテルを貼られたくない！」「『男日照りな女』と思われたくない！」と感じる、苦手な話題だったわけです。

婚活をめぐるトラブルは増加中？

たしかに、働く女性の身には、仕事以外でもいろいろと「あり得ないこと」が降りかかってくることがあります。私も会社員として働いていましたが、理不尽すぎて涙も出ないほど「それはないよ……」という出来事にいくつか遭遇しました。しかも、それらの多くは、もしも私が女性でなかったら、起こりえない問題だったのではないかと思っています。そして、フリーランスになってからは、さぞストレスのないお気楽な日々が待っているかと思えば、そんなことでもありません。ときどき忘れた頃に、心が折れそうになる出来事があったりもします。

つまり、思いがけないダメージやアクシデントに傷つくことは、働く女性であれば職業や年齢に関係なく起こりえることなのだということです。恋愛や結婚、同性の友達や人間関係など、あらゆることがつながっている毎日だからこそ、問題は複雑なのかもしれません。

鈍感さゆえに、先の女性編集者には悪いことをしてしまいましたが、世の中では私がした失敗のように、婚活をめぐる微妙なニュアンスのトラブルが数多く存在していることでしょう。

そこで、このコラムでは、婚活が定着した時代に女性がどうしたら快適に毎日を過ごしていくことができるかのルールを考えてみることにします。私も含め、働く女性たちが少しでも楽に生きていくためのヒントになれば幸いです。