日本福祉大学経済学部ゲスト講義を終えて - 人材育成全般 - 専門家プロファイル

福岡 浩
有限会社業務改善創研 代表取締役 業務改善コンサルタント
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日本福祉大学経済学部ゲスト講義を終えて

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 人材育成
  3. 人材育成全般

去る11月8日に愛知県知多郡にある日本福祉大学で、約120名の経済学部の学生(2学年、3学年)を対象にゲスト講義を行いました。短大や専門学校では年に数回、介護保険事務士の取得講座の講義を行うことがありますが、大学の経済学部では初めての講義でした。テーマは、『介護事業の動向と事業の継続性』とし、ミクロ経済学のご専門である遠藤准教授からのご依頼でゲスト講義が実現しました。

講義時間は80分程度でしたが、学生諸君は大変興味深く、私の講義に耳を傾けていたように感じました。講義の内容は介護保険制度が始まって11年が過ぎ、介護サービス事業者の現状や今後の事業運営や事業の継続性についての概要をお話しました。5年に一度の法改正や介護サービスのお値段である介護報酬の改定が3年に一度あることから、介護事業者の経営にどう影響するか、どのような運営が望ましいのか、サービスの質を高める工夫はどうしているのか、等など。

日本福祉大学というからには、経済学部の学生も福祉、介護の勉強をしているかと思っていましたが、普通の四年制大学の経済学部と同じように経済学を専攻しているので、福祉、介護の科目は履修していないそうです。しかし、それでも卒業生の多くは福祉関連の職場に就職しているそうです。福祉サービスと経済学、とりわけミクロ経済学は、考えようによっては密接な関係がありそうです。そこで、講義の冒頭に『「福祉のこころ」と「ビジネスマインド」について』と題して10分ほど話しました。人に優しいとか、弱者である高齢者や障害者にただ単に優しいという気持ちだけでは、介護事業は成立しないこと、ビジネスとしての介護サービスをどう捉えるべきかは、重要であると説きました。

ゲスト講義から2週間ほど経ってから、お招きくださった遠藤先生からご連絡があり、受講した学生たちが書いた感想文を読ませていただきました。介護保険制度が始まった頃には、まだ8歳か9歳だった学生たちには「介護の現場は3Kだ」という先入観があると聞いていました。それを払拭するための工夫を凝らして講義しましたので、その甲斐があり、学生たちの介護事業への関心を高め、遣り甲斐のある仕事だと理解してもらうことができたと、感想文を読んで確信しました。

経済学部の学生を相手に講義することを意識して、講義の最後に「経済とは、経世済民ということばを略したもの」といい、その意味は「世の中を治めて民を救うこと」だと説明しました。本当に経済学を学ぶということは、自由主義経済下でいかに金儲けをするか、いかに利益を追求するか、いかに効率よい経済を継続するか、などを学ぶのではなく、世の中のために自分ができることを考え、一般消費者のよりよい生活を支えることだと説きました。そのことが印象的だったのか、介護事業に対する関心をもつようになったという学生が何人かいたことが、今回のゲスト講義を行った唯一の収穫でした。

このコラムに類似したコラム

大学におけるこれからの観光関連学部のあり方について 田原 洋樹 - 人材育成コンサルタント(2012/07/30 12:16)

11月8日(火)日本福祉大学経済学部でゲスト講義 福岡 浩 - 経営コンサルタント(2011/10/16 18:08)

帝京大学ラグビー部の人材力 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2016/01/11 12:09)

IT業界就職人気ランキング 長谷川 進 - 経営コンサルタント(2015/07/28 11:20)

「店舗力診断」をしよう:その78スタッフのキャリアのバランスを整えよう 松下 雅憲 - 店長育成・販売促進ナビゲーター(2014/11/24 06:29)